2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520015
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
望月 太郎 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50239571)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際研究者交流 / 哲学実践 / 哲学教育 / クリティカルシンキング / ソクラティックダイアローグ / 哲学カウンセリング / 子供のための哲学 / 持続的開発 |
Research Abstract |
平成24年3月に開催した国際フォーラム(International Symposium on Philosophical Practice in Peace Building and sustainable Development, PUC, 17 March, 2012)に続き、7月には韓国・江原大学校で開催されたICPP第11回大会Special Interest Group Meetingで平和構築のための哲学実践マスターコース及び同コースで使う教科書の企画を提案、11月にはカンボジアで第2回国際フォーラム(2nd International Forum on Perspective and Reflection on the philosophical practices in Asia, PUC, 24-26, 30 November 2012)に加えてフィールドトリップ(哲学ウォーク)を実施、この段階でパンナサストラ大学人文学部大学院に同コースを設置することで現地スタッフと合意し、教科書の編集委員会を立ち上げた。これを承けて平成25年3月に同コース設置のための実務レベル協議を行い、カリキュラムの概要を定め、2014年4月からプログラムをスタートすることを目標として次の段階へ進むこととなった。 平和構築のための哲学実践マスターコースは、ソクラティックダイアローグ、哲学カウンセリング、子供のための哲学、コーチング等の能力とスキルを養成することを目的とした2年間の修士課程である。また本研究では教科書として使用するGuidebook for Mastering Philosophical Practices(英文)の編集も進めている。この計画が実現すればアジア地域で最初の哲学実践を総合的に学ぶことができる修士課程となる。持続的開発に向けた哲学教育の試みとして重要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は平成25年度に入ってから実施する予定であったカリキュラムデザインを本年度の後半から実施し、その概要は完成した。3月に実務レベル協議を行い、コースの設置機関との交渉が進み、プログラム実施の目処が立った。すでに教育スタッフの選定の段階に入っている。教科書に関しては、編集委員会を立ち上げ、執筆者の選定を進めている。出版社との交渉も、すでに始まっている。現段階の達成度は、当初の計画をおおよそ150%程度上回ると見積もられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、平和実現のための哲学実践マスターコースのカリキュラムデザインについて、第13回アジア学術会議タイ会合国際シンポジウムで報告し、有識者の批判を仰ぐと同時に協力者を募る。11月には、シアヌークヴィル(カンボジア)で同コースの教育スタッフのトレーニングを目的とした1週間程度のセミナーを実施する。また12月には、チュラロンコン大学(タイ、バンコク)文学部で国際シンポジウムを開催する予定である。このシンポでは、アジア地域における哲学実践の特徴的傾向について、日本、韓国、タイ、カンボジアから報告者を招いて比較し、その成果を同コースでの教育実践と教科書の編集のために役立てる。またヨーロッパ地域における哲学実践の最新の動向について、オランダから報告者を招いて報告を受ける。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際学会での報告(第13回アジア学術会議タイ会合国際シンポジウム、2013年6月)、教育スタッフのトレーニングのためのセミナー(カンボジア、シアヌークヴィル、2013年11月)、研究課題についての国際シンポジウム(タイ、バンコク、2013年12月)、合計3回の海外での行事を予定している。これらの学会、シンポジウムやセミナーへに参加するための旅費(海外連携研究者の旅費を含む)が当初の見積もり以上にかかることが予想され、今年度に引き続き、前倒しで費用を工面したい。
|