2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520040
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
武田 時昌 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (50179644)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中国哲学 / 中国思想史 / 術数学 |
Outline of Annual Research Achievements |
古代から近世に至る主要な術数書を調査し、科学・占術が思想、宗教との境界領域においてどのような作用を発揮したかを分析的に考察し、術数学の理論形成を探った。主要な考察内容は、以下の4つの事項である。 (1)『隋書』経籍志に著録された占術書を類別的に整理し、出土簡帛資料や漢代文献との関連性を検討して、先秦方術から術数学がどのように形成されてのかについて考察を試みた。(2)近世術数書や暦注で展開されている占術の基礎理論について、遡及的な考察を行い、馬王堆出土帛書『刑徳』『式法』『陰陽五行乙篇』や各種日書の出土簡帛資料にその初源的な技法を見出せることを明らかにし、その数理に分析を加えた。(3)近世に流行した断易、五行易の主要文献(『火珠林』『卜筮元亀』『断易天機』等)の読解を通して、漢代の京氏易や宋代の先天易を代表とする象数易が占術理論の形成と展開にどのような作用を発揮したかを検討した。(4)医薬書における仙薬、とりわけ万能薬として活用された薬剤について、文献的な追跡を行い、その普及と活用の具体的な様相を探ることによって、術数学の研究の場を明確にした。そして、医薬文化や養生文化について術数学的なアプローチによる多角的な考察を繰り広げた。 以上の理論的研究を推進しながら、術数学研究会を組織し、国内外の研究者を集めた共同研究を推進した。4月に大阪産業大学の古算書研究会、11月、12月に日本道教学会、日本出土資料学会との共催イベントを企画し、9月には上海出張して上海交通大学、復旦大学出土文献与古文字研究中心にて講演を行い、科学史研究や思想史研究における術数学研究の意義を提言し、国際的な共同研究ネットワークの構築を図った。また、術数学研究会の若手研究グループと協力して、彦根市博物館が所蔵する琴堂文庫占術書を調査し、目録データベースを作成した。
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Research Products
(19 results)