2014 Fiscal Year Annual Research Report
ラトナキールティの宗教哲学研究―ブッダと主宰神の宗教的権威の証明に関する比較考察
Project/Area Number |
24520051
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
護山 真也 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (60467199)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 主宰神論証 / 全知者 / 宗教的権威 / ラトナキールティ / ダルマキールティ / ニヤーヤ学派 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 『全知者証明』(Sarvajnasiddhi)に関しては、先行研究であるG. Guenemann著Der allwissende Buddhaを参考にしながら、和訳研究を完了した。翻訳の遂行にあたっては、稲見正浩氏との意見交換などを行った。 2) 昨年度から継続して『主宰神論証の論駁』(Isvarasadhanadusana)に関して、写本に基づく校訂本の訂正ならびに訳注研究を継続し、完成した。その成果は、『南アジア古典学』第10号(2015)に「ラトナキールティ著『主宰神証明の論駁』和訳研究(中)」として投稿し、続編を次号で公刊する予定である。 3) 主宰神論証は論証対象が表面上は「知的作者」として表現されながら、その実、意図された論証対象「全知者である主宰神」が隠されているという構造をもつ。このような二段構えの構造をもつ推論式の問題について、ウィーン大学で開催された国際仏教学会(IABS)において、On dharmisvarupaviparitasadhanaと題する発表を行った。 4) 仏教認識論における主宰神論証とその背景となる諸理論を西洋哲学と比較する試みとして、筑波大学で開催された国際シンポジウム(2015年3月)にてAdhyavasaya and Imaginationと題する発表を行い、ハンブルグ大学・ハーヴァード大学他の諸研究者と意見交換を行った。また、同シンポジウムではキリスト教神学と日本仏教との比較研究も発表されており、本研究との関連で意見交換を行った。
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Research Products
(7 results)