2014 Fiscal Year Annual Research Report
『ヴィヤヴァハーラ経』を中心とするジャイナ教出家者戒律の総合的研究
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24520059
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Research Institution | Miyakonojo National College of Technology |
Principal Investigator |
藤永 伸 都城工業高等専門学校, 一般科目文科, 教授 (70209071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 綾子 京都大学, 文学研究科, 研究員 (20612021)
堀田 和義 大谷大学, 文学部, 助教 (90548687) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ジャイナ教 / 戒律 / 註釈文献 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、主に二つの面で研究を行った。先ず第一に、初年度および前年度に引き続き、「ヴィヤヴァハーラ経」をプラークリットの韻文註およびサンスクリット註を参照にして読解していった。また重要な用語の訳語も決定した。第二に前年度に数種類の写本を入手した、プラークリットとサンスクリット混淆の散文註釈の読解も行った。 研究機関全体を通しての本研究の成果は「ヴィヤヴァハーラ経」の解読をその中心内容とし、その際に三種類の註釈を用いた点が重要である。これによって、ジャイナ教出家者の行動規則がどのようなものであるか、概略を把握することが出来、また歴史的変遷も多少ではあるが、明らかになった。行動規則の概要について言えば、過失に対する滅罪儀礼の規定を実際に適用する際に非常に柔軟な態度で行っていることが知られる。それは現代の日本社会にも適用できるのではないかと思われるほどである。 また最終年度に行った研究の第二面は、ほとんど前例のない研究であり難渋を極め、全文を解明するには至らなかったが、今後のジャイナ教研究、広くはインド古典学研究にとって重要な一歩となったと確信する。これを手がかりとして、今後はインドの他宗教、特に仏教の戒律との比較も行いたい。また、現在のジャイナ教出家者の行動規則に関しては実態調査を行ったが、これを本研究で行った文献研究と比較し、歴史的変遷や各分派での違いなどを調査して公表する予定である。
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Remarks |
研究分担者の削除 八木 綾子 日本学術振興会承認年月日 平成25年5月27日 堀田 和義 日本学術振興会承認年月日 平成26年3月18日
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Research Products
(3 results)