2012 Fiscal Year Research-status Report
海上自衛隊第1術科学校教育参考館所蔵「古兵書」に関する基礎的研究
Project/Area Number |
24520079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 禎雄 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (10292187)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 兵学 / 神道 / 海上自衛隊 / 海軍 |
Research Abstract |
本研究の目的は、海上自衛隊第1術科学校教育参考館が所蔵する近世日本の兵学書について、その概要を明らかにし思想史の立場から分析を加えることである。本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1.基礎資料の収集 海上自衛隊第1術科学校教育参考館(広島県江田島市)に赴き史料調査を実施した。史料撮影は、いずれも未公刊のもので北條流兵学関係の主要史料を中心に行った。また防衛省防衛研究所において海軍兵学校時代の教育参考館に関する史料の調査を行った。日本兵学ならびに書誌学に関する文献を収集すると共に、従来の日本思想史研究ではなされなかった当該領域の研究史整理を行った。これと併行して戦前の兵学研究者(海軍関係者)の文献を収集し、戦前の兵学研究の実体に関する基本調査を実施した。 2.目録の電子化 昭和39年海上自衛隊第1術科学校普通学科・教材課作成の「古兵書目録」中の鷲見文庫のデータベースを作成した。 3.分析と考察 海軍兵学校時代に収集された鷲見文庫は鳥取藩鷲見家が所蔵していた蔵書の一部で、兵学書を主としたものである。実際に調査を行った結果、同文庫は単一の流派から成り立つものではなく、様々な流派の兵学書から構成されていることがわかった。昭和39年段階では通し番号で整理されたために現在流派別に理解することは一見難しいものの、おおよその流派別区分は保持されていることが明らかになった。 今後は撮影した史料について思想史の立場から分析を加え、兵学と神道の融合領域である兵家神道の実体について明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、目録のデータ化は鷲見文庫とし、当初の計画通りこれは完了した。暫定版は海上自衛隊第1術科学校教育参考館に提出してある。また同館の積極的な協力により、極めて良好な環境の下で史料調査を実施できている。史料撮影についてもデジタルカメラを用いた古文書の撮影スキルを有する者をアルバイトとして使用できたため極めてスムーズに実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.鷲見文庫に続き野澤文庫のデータベースを作成する。 2.前年度に行った研究史の整理をさらに推進する。 3.撮影史料の内から重要なものを精選して翻刻する。 4.海上自衛隊第1術科学校での史料撮影を継続するとともに、撮影史料の分析と思想の解明を本格的に推進し、比較検討を行うことで各流派の兵学の特徴を抽出し、兵家神道について系統的に整理することを目指す。 5.前年度の成果を学会で発表するとともに、論文として公開することを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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