2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520104
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
鈴木 賢子 東京藝術大学, 美術学部, 講師 (20401482)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | W. G. ゼーバルト / 視覚イメージ論 / イメージとテクスト / 歴史記憶とトラウマの表象 / 現代ドイツ文学 / 写真 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はW. G. ゼーバルト作品についての包括的研究である。より広い射程においては、歴史と記憶の表象をめぐって、文学、アート、歴史学を横断するような枠組みを探求する試みである。この研究の特徴は彼がテクストに鏤めた視覚イメージを読むこと、とりわけ画像同士の相互関係から発する視覚イメージ独自の意味作用を読むこと、視覚イメージと作品本文テクストとの関係を考察することにある。既存のテクストを自由に引用・改変し、キャプションのない図版をレイアウトして構築されたゼーバルトの作品を研究するにあたって、鍵を握っていたのは、テクストの素材(元になった原テクスト)や使用した視覚イメージの典拠を見つけ、かつどのような加工や改変をゼーバルトが加えているのかを突き止めることであった。アーカイヴ調査や現地調査を行うことで、従来知られていなかった典拠や素材、制作過程に肉薄できた。そして以上の研究調査活動を経ることで、記憶と歴史の特殊的一回性、物質性、ローカル性を作品に明示することなく提示するゼーバルトの方法論の理論的考察を行い、かつ実証的に裏付けることができた。成果の一部は論文として刊行および刊行予定である。
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Research Products
(3 results)