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2012 Fiscal Year Research-status Report

19世紀セーヴル国立磁器製作所における技術開発と東洋陶磁

Research Project

Project/Area Number 24520105
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionUniversity of Fukui

Principal Investigator

今井 祐子  福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (00377467)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2017-03-31
Keywords美術史 / 陶磁史 / フランス文化史 / ジャポニスム / 日仏文化交流史 / 国際情報交換(フランス)
Research Abstract

平成24年度は、大きくわけて以下の2つの調査を実施した。その結果、1)18世紀のセーヴル磁器製作所がマイセン磁器を意識して製作していたのに対して、19世紀の同製作所は、東洋陶磁にみる豊かな装飾表現を意識して製作していたこと、2)19世紀にセーヴルの化学者が進めた素地や釉薬に関する研究の成果は、当初はその国外流出が阻まれていたが、その成果を反映したセーヴルの作品が博覧会で展示されたり、セーヴルの技術者が諸外国の製作所に移籍したりなどして、諸外国の磁器製作にも大きな影響を与えたていたこと、3)19世紀セーヴルにおける技術開発は、東洋磁器から着想を得ている点のみならず、国際的な影響力を持っていた点でも重要であること、などの新知見を得ることができた。
【フランス国立セーヴル磁器製作所史料館における文献調査】
・19世紀にセーヴル磁器製作所の所長を務めた人物(Brongniart, Regnault, Ebelmen, Robert, Lauth, Deck)、同製作所の化学者(Ebelmen, Salvetat, Regnault, Lauth)、同製作所の技術者(Auscher, Milet)、セーヴル陶磁美術館の学芸員(Riocreux)に関する資料(私信、公文書、新聞・雑誌の記事、研究報告書など)を閲覧した。
【フランス国立古文書館における文献調査】
・1870年代のフランス公教育・宗教・美術省に関する資料の中のセーヴル国立磁器製作所に関する資料(公文書)、及び18世紀末のセーヴル磁器製作所に関する文献資料(勅令、手紙等)の一部(1895年の資料)を閲覧した[パリ館]。19世紀末から20世紀初頭にかけてのフランス公教育・宗教・美術省に関する資料のうち、セーヴル磁器製作所に関する文献資料(公文書)を閲覧した[ピエールフィッツ館]。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初予定していた以下の2項目に関して、おおむね予定通り、関連資料を調査できている。しかし、予想以上に多くの文献が存在するため、その読みこみと取りまとめの作業が少し遅れている。
1)新しい硬質磁器素地の開発の実態
2)1)の素地に適応する高温焼成釉薬(銅紅釉、斑文釉、青磁釉等)の開発の実態

Strategy for Future Research Activity

・次年度の上半期には、本年度に調査した資料を取りまとめ、19世紀セーヴル磁器製作所における新しい硬質磁器素地と高温焼成釉薬の開発についての論文を執筆する。
・次年度の下半期には、以下の2項目に関する文献調査を行う。
1)装飾技法(パット・シュール・パット)の考案と東洋陶磁との関連性
2)新しい硬質磁器素地、高温焼成釉薬、パット・シュール・パットを用いて製作された作品の種類と特色
・加えて、18世紀と19世紀のセーヴル磁器製作所の製作の特色を対比的に見る視点を加味して本研究を進めることは意義あることと思われるため、当初の予定にはなかったが、次年度の下半期には、18世紀のセーヴル磁器製作所に関する資料も併せて調査する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の研究費は、以下のように使用する予定である。
1)外国旅費
本研究では、海外機関が所蔵している複写が許可されない手書き原稿を調査するため、現地に一定期間滞在して、根気強く文献資料に当たる必要がある。そのため、短期間で資料収集する場合よりも多くの滞在費が必要になる。次年度はこの文献調査のために2度海外へ渡航する予定であり、そのための旅費を必要とする。
2)設備備品費
調査時にこれまで使用していたパソコンが老朽化しているため、新しいノート・パソコンを購入する。

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Published: 2014-07-24  

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