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2012 Fiscal Year Research-status Report

インド更紗の日本における受容の諸相と展開

Research Project

Project/Area Number 24520130
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionFukuoka Art Museum

Principal Investigator

岩永 悦子  福岡市美術館, その他部局等, その他 (10590440)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords国際研究者交流 オランダ イギリス
Research Abstract

インドの木綿の貿易布(更紗、縞)の具体的な名称とその特色の記述に関して、イギリスの東インド会社については Journal of Indian Textile Hostory I, II所載のJohn Irwinの用語集、オランダの東インド会社については、Instituut voor Nederlandse Gescguedenisの VOC-GLOSSARIUM、さらに山脇悌二郎の『事典 絹と木綿の江戸時代』を参照しながら、『日本関係海外史料 オランダ商館長の日記1‐11』『平戸オランダ商館の日記』『長崎オランダ商館の日記』『平戸市史海外史料編 I-III 平戸オランダ商館の会計帳簿』における用例を確認した。
商館長日記で実際それらが取引あるいは贈答された文脈をたどることで、インドの木綿の貿易布のうち、将軍あるいは幕府高官への贈物として、どのようなものがふさわしいとされたか、あるいは、それらの中でもより価値が高いとされたものはどれか、など、用語集からは判然としない布のランク付けなどが見えた。また17世紀初期の時点では、オランダ東インド会社で用いられた貿易染織品の名称に、スペイン語/ポルトガル語の貿易用語がそのまま使用されている例を確認できた。
これらの用語を、随時「彦根更紗」を中心とする、日本に残された裂帳や貼り交ぜ屏風、茶道具の包裂などと比較するうちに、用語と裂そのものを一致させることができそうなものが数種類浮かび上がった。それらのうち1つの用語は、スペイン語/ポルトガル語であり、ポルトガル、スペインにも照会をかけるべきであろう。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

文献と図版との対比による調査に時間を要して、国内外の出張の連絡調整が遅くなり、館内業務との調整がうまくつかずに、年度内にほとんど調査にでることはできなかった。

Strategy for Future Research Activity

初年度調査予定のイギリス・オランダに関しては、オランダでの調査は年度あけ早々に試みる。イギリスのV&A美術館は収蔵庫の移転中で、2013年10月にならないとアクセスできないとのことなので、他のヨーロッパ出張とかねて10月に再度試みる。
できるかぎり、2012年度の積み残しと2013年度の国内外調査を、すべて2013年内に済ませるべく予定を立てる。
安永年間の更紗ブームに関しては、木村蒹葭堂よりもオランダ商館との取引もあった三井家を入口に探る方が手がかりがつかみやすいと感じるので、特に三井家や和更紗制作に携わった染物屋(華布師)を中心に文献調査を進める。
日・蘭・英の用語集を比較すると、蘭・英の用語の共通点、相違点が整理されていないことに気づかされた。その整理をあわせておこなうことで、より多くの裂と名称の同定が可能になると考えられる。ちなみに、インド貿易布におけるスペイン語/ポルトガル語の用語は、19~20世紀まで対アフリカ貿易などで用いられており、今後はスペイン、ポルトガルでの情報収集も必須となるだろう。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

旅費:(海外)オランダおよびイギリスにて博物館・美術館・図書館・文書館調査。(国内)東京、岐阜、大阪、京都、佐賀、長崎にて、博物館・美術館・図書館・文書館・個人コレクター調査。
物品:『イギリス商館長日記』ほか、インド貿易染織関連資料を購入。
その他:図書館での資料複写。

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Published: 2014-07-24  

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