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2013 Fiscal Year Research-status Report

インド更紗の日本における受容の諸相と展開

Research Project

Project/Area Number 24520130
Research InstitutionFukuoka Art Museum

Principal Investigator

岩永 悦子  福岡市美術館, その他部局等, その他 (10590440)

Keywordsオランダ 国際研究者交流 / イギリス 国際研究者交流
Research Abstract

当該年度は主に資料調査および文献収集を行った。海外に関しては6月にオランダ、10月にイギリスにて調査をした。オランダでは、アムステルダム国立美術館、アーネムのオランダ野外博物館、レーワルデンのフリース博物館および歴史センター、ロッテルダムの世界博物館で作品あるいは文献調査を行った。特記すべき知見として、インド更紗のガウン(少なくともその一部)は、日本の絵羽のように仕立て上がりを想定して染められたことがわかった。また、これまで特に言及されてこなかったが、インド製の縞や格子模様、経緯絣の布が衣装の一部として大量にインドから到来していたことがわかった。これらは広義の更紗研究には貴重なものである。図書資料としては、アムステルダム国立博物館所蔵のインド更紗の布地の販売記録(18世紀後半の服地屋のセールスカタログ)を探しだすことができた。
イギリスでは、V&A美術館で作品および文献調査、オックスフォード大学ボドリアン図書館で文献調査を行った。V&Aでは、修復中の霜降手の生命樹文様のインド更紗を調査し、図版では切れていた両端部分やスタンプを確認することができた。ボドリアン図書館では貿易の記録をつづった手写本を閲覧、縞や格子模様にさらに文様を描いたものが輸出されていたことが確認できた。
国内では煎茶道具を所蔵する入間市博物館ほか個人への調査を行ったが、煎茶における更紗の歴史がさほど古くないことが明らかになってきた。ほかに東京国立博物館、文化服飾学園博物館、女子美術大学美術館、京都服飾文化研究財団ほか個人コレクターの所蔵品を調査。個人コレクターの所蔵品に、経緯絣技法と更紗の技法(媒染防染模様染)が併用されたインド更紗を用いた間着、帯などこれまで紹介されていなかった資料が見つかった。また、伊達家伝来の裂帖も見出された。江戸初期の有力大名による更紗受容を語るのに欠かせないものとなるだろう。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

目標としていたヨーロッパ2箇所の調査を行うことで、研究の大きな枠組をつかむことができた。国内調査のうち、端物切本帖の調査が進んでいないが、早々に行うこととしたい。

Strategy for Future Research Activity

2013年度の調査では経緯絣技法と更紗の技法(媒染防染模様染)が併用されたインド更紗(いわゆる絣手格天井文様更紗)の新資料が多く見つかった。ふたつの技法が併用されていることから、それぞれの工程が別の場所で行われている可能性もある。今年はインドでのその製作状況のてがかりをつかむべく調査を行う。
18世紀の更紗流行の仕掛けについては、これまで見てきた三井家や円山応挙との関連に加えて、山東京伝周辺を探ることとする。
旅費等:(海外)インドにて博物館、美術館、染工房調査。(国内)長崎、東京、大阪、名古屋
物品:図書購入

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

目的とした国内調査のうち行くことができなかった所があったため。
7月までには、未調査分の国内調査を行う。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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