2013 Fiscal Year Research-status Report
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24520133
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
阿部 裕之 岩手大学, 教育学部, 教授 (20222664)
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Keywords | 美術鋳物 / 蝋型鋳物 / ロストワックス / 工芸 / 鋳金 / 鋳造 / 美術 / ブロンズ |
Research Abstract |
平成25年度は、第二段階として主に多角形の金型板の設計製作とジョイント部分の試作と検証を行った。 1. 多角形の支持体の材質に関する検討図面の検討 多角形の図面の検討は、形体に合わせての接地面の形状が重要な点となるが、アルミニウム板の接地面の加工の検討が、もっとも重要なポイントとなる。金属加工の精度を増すことにより解消できるが、精度の高い金属加工の場合、コストの面での検討が必要となるため作品のデザイン段階からの十分な検討が重要になる。前年度検証を行ったアルミニウムの肉厚のデータを検討に入れ検証を行った結果、工芸品に使用する場合の肉厚は、金型の使用の取扱の上の操作性、重量及び強度においてアルミニウム3ミリ肉厚の金型板による多角形支持体が、おおむね良好な結果が得られた。制作作品の使用用途に関する考察も必要であるが、器物を中心に考えていく方策が、最終段階として鋳鉄による器物を製作し南部鉄器などの地場産品としての形体等に結びつけることを考慮に入れ、完成作品の金属材料の肉厚を考え検証を行った結果アルミニウム3ミリ肉厚の金型板による多角形支持体が、おおむね良好な結果が得られるという結論に達した。 2. 多角形ジョイント部分に関する検討 多角形ジョイント部分の製作に関しても、平成24年度の四角形(正方形、長方形など)の場合は、八か所の接点での結合が可能であることが、検証を行った結果得られた。 強度等の問題点も検証を行った結果おおむね多角形の器物の作品制作のための適切な位置とジョイントの六角ボルトの強度と個数の検証を行い結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の推進段階で必要とされる多角形の金型の設計と検討にあたり、複数の図面を製作し形体として、立体物に置き換えた状態を検討したところ、工芸品としての用途を視野に入れ考察するに至った。たとえば花器などに応用した場合、制作が困難なうえに精度を上げることが難しいという点を、この研究において考察した場合、次の六つの形体が、作品表現においても、フォルムにおいても美しいので、研究対象として選択した。検討し、図面に現したものは16パターンである。 中でも六角形などのシンプルな形状と、六角形の変形パターンは、フォルムとして美しいものであったが、今回の研究の段階では割愛した。また12角形、15角形、18角形などは、縦横のバランスを十分に吟味しないと、円筒形の形体と印象が近づくので、今回の研究からは、外すこととした。残りの三角形、五角形、七角形、八角形、九角形、十角形の六種類を選択し金型の設計・製作が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
現実験段階では、初年度のアルミジグが順調なため、複数の多角形アルミジグによる実験を継続する予定であるとともに鋳造機材、鋳造材料、燃料等が研究費の主な使用用途である。アルミジグの形状を考察し、実験段階を深めたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2度の出張計画のうち、1度しか遂行できなかった。富山大学への研究相談が時間的に実施できなかった。 現段階において、東京芸術大学での研究相談で計画は滞りなく進展しているので、今回消費できなかった費用については、金型の製作費用に充当したい。
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