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2016 Fiscal Year Research-status Report

古代ギリシアの音階理論のヨーロッパ中世思想への浸透

Research Project

Project/Area Number 24520134
Research InstitutionAkita University

Principal Investigator

山本 建郎  秋田大学, 名誉教授, 名誉教授 (30006572)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高木 酉子  朝日大学, 歯学部, 非常勤講師 (20624399)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2018-03-31
Keywordsハルモニア / トノス / 共和音 / オクターヴ / 4度音程 / 5度音程 / 旋律
Outline of Annual Research Achievements

当研究は、古代ギリシア哲学における音楽理論(楽理)の浸透というこれまで研究者の問題関心を喚起せしめなかった特異な現象に注目して、この視角からなされた哲学の一断面を具体的に表述したものである。此の点が、本研究の最大の実績である。
この一断面は哲学に対する通常の視角からは漏れる特異な性格によるものであって、筆者はアリストクセノスがこの視角の設定により当研究主題の展開の具体化を得たと捉えている。
この方法論の上に、筆者は過去四年間にわたって表題の研究課題の検討を積み重ねてきたのであるが、最終年度である今年度(平成28年度)は、旧著三部(「アリストクセノス「ハルモニア原論の研究」「アリストテレス方法論の構想」「プラトン[国家論」考」)
によって切り開かれた古代ギリシアの音楽状況の了解の上に、古代ギリシア楽理の総合的な体系化を哲学知の具体的な展開の一形式として認めた。
前年度までは課題の資料のあまりにも膨大なるが故に断片的な考察の集積にしか成り得なかったが、今年度は改めてそれらを筆者独自の視座から一つの思想上の流れにまとめあげた。このような反省的な考察によってそれぞれ固有の関心を呼ぶ前記の三部作は、それぞれ珍奇な発想の表明の域を超えて、一つの音楽理論の三断面として評価しえたと確信する。そして、アリストクセノスが音楽理論をこのような形で組み立て直した点に、アリストクセノスの意図からは独立に、哲学固有の理想的なあり方が現れているのである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度のみを見れば(1)の評価に値すると確信しているが、科研費の享受のもとにありながら最大のテーマであるアリストクセノスの「ハルモニア原論」に関して細部の事項に関する了解にいまだ納得のゆく対応をなし得ていないので、現在までの総評としては(1)の評価には至らないと判定する。

Strategy for Future Research Activity

楽理の哲学者として、アリストクセノスの評価を確立する。そのためには、アリストテレスとの関連を哲学史の上問題として探らなければならない。これは哲学史の書き換えを迫る大問題である。さらに、本来の専門分野ではないのだが音楽現象を扱う以上は何らかの楽器に対するかなり専門的な理解が必要と考えるので、楽器論的な視覚からも理論的な検討を行う。

Causes of Carryover

予定していた英国研究者(A.Barker)を訪ねての古代ギリシアの楽理に関する意見交換が準備不足でできなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

昨年度果たせなかったバーカー氏を訪問して、関連問題の意見交換を行うための旅費に使用する。

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Published: 2018-01-16  

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