2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520135
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
阿部 宏慈 山形大学, 人文学部, 教授 (10167934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 唯史 山形大学, 人文学部, 教授 (20250962)
清塚 邦彦 山形大学, 人文学部, 教授 (40292396)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表象文化論 / ドキュメンタリー映画論 / マンガ論 / 画像表象の存在論的認識論的検討 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画の第三年度にあたる平成26年度は第二年度までの研究成果の相互的な確認と討議を中心に進めた。 阿部宏慈は、研究全体の総括をおこなうとともに、26年度後半は、本研究の成果をおさめる論集『現代視覚表象におけるメディア的身体の研究』の準備のために、中村唯史とともに、研究に協力した森田直子(東北大学)、大久保清朗(山形大学)、成田雄太の各氏と研究情報の交換等をおこない、論集の形式による研究成果の発表に向けて準備をおこなった。 また、阿部宏慈は、モントリオール国際ドキュメンタリー映画祭において、映画祭関係者およびカイエ・デュ・シネマ誌ステファーヌ・デュ・メスニルド氏他の研究者、リシャール・ブルイエットをはじめとするドキュメンタリー映画作家と意見交換をおこない、さらにモントリオール大学において、同大学の研究者シュザンヌ・ベトとともに、震災以降の日本のドキュメンタリー映画の現状について報告討議をおこなった。 研究の成果については、阿部はドキュメンタリー映画における身体表象の問題について論考を執筆し本科研費の研究会参加者との共同執筆による論集の一章として発表した。中村唯史は、特にマンガの身体表現に関する考察を行い、その結果を上記論集所収の論文として発表した。また上記論集の編集に従事した。清塚邦彦は 2014年度は前半期においては、フィクション概念を哲学的論議の中で代表的な見解の一つとされるカリーの言語行為論的な理論について踏み込んだ検討を行い、その成果を論文(1)において発表した。後半期においては、主に画像表象の問題に焦点を置きつつ、存在論的、認識論的な検討を行った。とりわけ、画像表象に目を向けた場合にそこに見える内容(知覚内容)と、絵に描かれていると見なされる内容(表象内容)との間の関係についてやや踏み込んだ検討を行った。その成果については著書(共著)において発表の予定となっている。
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