2013 Fiscal Year Research-status Report
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24520162
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
針貝 綾 長崎大学, 教育学部, 准教授 (70342425)
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Keywords | 美術工芸 / 教育工房 / 工房教育 / ドイツ / 20世紀初頭 |
Research Abstract |
本研究は,20世紀初頭のドイツの教育施設における美術工芸の工房教育について,そのカリキュラムや実際に行われた教育内容について明らかにすることを目的としている。本研究では特にミュンヘン手工芸連合工房に関与した芸術家たちの,ドイツ各地の美術工芸の教育施設での美術工芸教育の取り組みに着目し,その際ミュンヘン手工芸連合工房の工房や工房教育の理念が持ち込まれた可能性を探る。 平成25年度は科学研究費により9月上旬にベルリンの美術図書館で国立ベルリン王立美術工芸博物館教育施設ならびに国立ベルリン統一自由・応用実験工房に関する基礎的な資料の調査を行った。その結果,シュトゥットガルト王立教育実験工房がミュンヘン手工芸連合工房に関与した主要な芸術家たちを中心に据えて工房教育を行う,重要な教育工房のひとつであることが明らかになった。そこで,平成26年3月上旬に私費でシュトゥットガルトの古文書館とヴュルテンベルク州立図書館,ならびに造形美術アカデミー附属図書館でシュトゥットガルト王立教育実験工房に関する資料の収集を行った。その後,それらの資料の整理と翻訳を進めている。 平成25年6月までの研究成果は博士論文にまとめて筑波大学に提出し,平成24年度の調査研究の成果のひとつとして「『ドイツ手工芸工房ドレスデン附属工芸専門学校および教育工房の指導原理,規則,カリキュラム,学則』」を『長崎大学教育学部紀要―人文科学―』(No. 80,平成26年3月)に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
博士論文の修正が平成25年7月上旬まで続くとともに,4月下旬と10月下旬には研究室の引っ越しがあったため,予定よりも研究の進度がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度はこれまでに収集したシュトゥットガルト王立教育実験工房の資料を整理して論文にまとめ,9月上旬に大学美術教育学会に投稿する。続いて9月中旬にはシュトゥットガルトの美術アカデミー附属図書館でシュトゥットガルト王立教育実験工房に関する資料のさらなる調査を進める。10月以降はこれまでの調査資料を整理し,まとめを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は洋書を購入依頼し,1月末の時点で予算をすべて執行する予定であった。ところが,調べていた金額よりも請求額が高く,予算内に入らなかったため,いくつかの項目をまとめて他の研究費に移管措置を行ったが,移管額が多過ぎ,年度末に予定外に残額が生じてしてしまった。 差額の7122円は今年度書籍代に使用します。
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Research Products
(2 results)