2014 Fiscal Year Annual Research Report
実証分析による20世紀の交響楽団におけるレパートリー形成とその要因の国際比較研究
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24520174
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
井上 登喜子 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 助教 (90361815)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 音楽学 / 音楽受容 / レパートリー形成 / データベース / オーケストラ / 国際比較 / 日本:ドイツ:米国 / 実証研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、レパートリー・データベースの構築を完了したドイツのプロ・オーケストラ「ベルリン・フィルハーモニカー」と米国の「ニューヨーク・フィルハーモニック」を対象とし、それぞれの団体の20世紀を通したレパートリー・サンプルの基本統計をまとめるとともに、レパートリー形成の要因分析に取り組んだ。とりわけ、「ベルリン・フィルハーモニカー」については、首席指揮者と客演指揮者の間の役割分担に注目した仮説検証を行い、①首席指揮者と客演指揮者という指揮者の別による役割分担がみられること、その役割の差異が時代推移とともに減少すること、②レパートリー形成の固定化には首席指揮者が、多様化には客演指揮者が関与していることについて確認した。さらに、レパートリーの多様化については、③客演指揮者の地域的多様化に伴い、レパートリーの地域的多様性が拡大したこと、④レパートリーの新規導入については、「客演指揮者」「同郷(指揮者と作曲家の地位的出自の一致)」「年齢の低さ」との統計的にも有意な関連が確認された。 本研究の最終年度にあたる当該年度は、研究の最終的課題として掲げた国際比較にも着手した。今回の研究期間内に作成した日本、ドイツ、米国のレパートリー・データベースを用いて、レパートリー形成の固定化と多様化をめぐる指揮者役割に関する比較分析を行った。その結果、レパートリーの固定化に関しては国・団体を超えて共通性が、レパートリーの多様化に関しては差異がみられることが確認された。
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Research Products
(3 results)