2013 Fiscal Year Research-status Report
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24520178
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Research Institution | Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
長沢 幸子 文化学園大学, 服装学部, 教授 (20261092)
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Keywords | ファッションイラストレーション / ファッションデザイン画 / スタイル画 / ファッションドローイング / モードドローイング / アート / サブカルチャー / クールジャパン |
Research Abstract |
ファッションイラストレーションにおいて、描き手に内在するファッションイメージをより表現しやすい描法の開発を行っている。水墨画描法を取り入れたファッションイラストレーション新描法を「ファッションイラストレーションにおけるスーパーグラデーション描法」と命名している。この提案新描法の中心技法である「暈し塗り」について一般の鑑賞者が見たときの印象を定量的に把握する実験を実施した。すなわち提案新描法で描かれたファッションイラストレーションについて主観評価実験を行い、その有用性を定量的に検証した。その結果、「水墨画(提案方式)」において淡墨と濃墨へ移行すると、印象が「熟練」「重硬」へと変わる。したがって「水墨画(提案方式)」において濃墨の適切な使用は「情緒」の表現に有効であることが定量的に明らかになった。また「水墨画(提案方式)」において陰影有から陰影無へ移行すると、淡墨では「顕著に軽柔」、濃墨では「顕著に重硬」、「非凡」へと変化する。したがって「水彩画(従来方式)」に比べ「水墨画(提案方式)」は現実離れした軽柔または重硬な印象の表現に適することが定量的に明らかになった。さらに研究代表者自らこの提案新描法を用いた作品制作を行い、作品展に出品し、定性的な検証をも試みた。 そして本年度の研究とこれまでの研究を博士論文としてまとめた。この博士論文は本研究課題の中間地点のまとめとなった。また、前年度に実施した出張取材の研究成果について共同研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究とこれまでの研究を博士論文としてまとめた。この論文は、本研究課題の中間のまとめとなり、次年度以降の展開に有用であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
博士論文としてまとめた内容をさらに詳細に検討し展開してゆく予定である。学会などにおいて研究成果を発表してゆく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は博士論文を主に執筆、すなわち研究室内デスクワークという研究活動が多くなり、研究費使用額がやや減少した為。 本年度にまとめた博士論文の内容をさらに詳細に展開するべく、新たな文献調査・検討を中心に行う予定である。
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