2015 Fiscal Year Research-status Report
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24520178
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Research Institution | Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
長沢 幸子 文化学園大学, 服装学部, 教授 (20261092)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ファッションイラストレーション / ファッションデザイン画 / スタイル画 / ファッションドローイング / モードドローイング / アート / サブカルチャー / クールジャパン |
Outline of Annual Research Achievements |
ファッションイラストレーションの領域を俯瞰しつつ、ファッションイラストレーションの研究と作品制作に引き続き取り組んだ。 研究代表者が先行研究において既に確立した、水墨画描法を活用したファッションイラストレーション新描法― Super Gradation Method for Fashion Illustration ―「ファッションイラストレーションにおけるスーパーグラデーション描法」の構成は以下のとおりである。 1 人物の顔や被服の形態を明確かつ写意的に線画で描く 2 写実的な陰影法を脱却した写意的な暈し塗りを施す 本年度もこの新描法について検討を進め、研究発表、作品発表を行った。この新描法の一部の技法である「暈し塗り」についての定量的検証結果をまとめ、学会研究発表と学会論文誌掲載(次年度4月に掲載確定)という形で成果報告を行った。なお、ファッションイラストレーションとはファッションを表現した画の総称であり、「鑑賞用(自己表現用)」「商業用(情報伝達用)」「工業用(被服設計用)」の3つに分類される。本研究で取り上げているファッションイラストレーションは「鑑賞用(自己表現用)」およびこれを展開した「商業用(情報伝達用)」の作品を中心としている。しかしながらこの定量的検証のアプローチは、「観賞用(自己表現用)」「商業用(情報伝達用)」に対するプラスの効果だけでなく、「工業用(被服設計用)」ファッションイラストレーションの素材や布地の感触面や風合い感、イメージ面における効果といったファッションデザイン設計の美学的な表現に対する情緒性の定量化に関しても有効となることを検討した。さらに本研究のこのアプローチはファッションイラストレーションの各々の技法の定量的評価にも有効であることを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を進める努力は継続している。しかしながら平成27年3月下旬に負傷し、リハビリ終了まで3か月を要し、この間全身の健康状態をも優れなかった。また平成27年7月頃から病気入院中の親族の体調が悪化し12月に他界した。平成27年度は研究代表者の健康状態が心身共に勤務先の大学の教育業務遂行で精一杯の状態であったため、研究の進捗状況はやや遅れている。そのため研究計画の図書の出版は次年度に行い、今年度の研究費の残額は確保してあり、繰り越して出版準備に使用する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究のまとめとなる図書の出版へ向けて原稿の執筆と出版の準備を進める。
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Causes of Carryover |
平成27年度から図書の出版準備に取り掛かる予定であった。しかし研究計画の進捗がやや遅れ、残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究のまとめとなる図書の出版が次年度へずれ込み、図版の関係費用、業者委託料など、出版に関わる費用を次年度へ向けて確保し繰り越した。したがって、繰り越した次年度使用額全額と次年度支給額を合わせて図書の出版準備に使用する予定である。
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