2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Systematization of Fashion Illustration
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24520178
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Research Institution | Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
長沢 幸子 文化学園大学, 服装学部, 教授 (20261092)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Fashion Illustration / Super Gradation / India-ink painting / Watercolor painting / Figure Drawing / Style / Fashion Design / Super Flat |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでの研究をまとめた著書「ファッションイラストレーションの体系―スーパーグラデーション―」を出版した。本書の要点は以下のとおりである。 まず先行研究を鑑みながら、ファッションイラストレーションを3つに分類した(1)商業用(情報伝達用)ファッションイラストレーション(2)工業用(被服設計用)ファッションイラストレーション(3)鑑賞用(自己表現用)ファッションイラストレーションである。次に、ファッションイラストレーション作家の視点から、日本の(1)商業用(情報伝達用)ファッションイラストレーションの変遷を俯瞰し、描法と画材とモチーフとなる服装(和装・洋装)の別による人物表現の抽出を行い、これまで曖昧であった「描法・画材・服装と表現の関係」を明らかにした。抽出する際に着目した表現の方法は以下のとおりである。①モチーフとなる服装の和装・洋装の別、②様式性・写実性の別、③線画の有無、④陰影の有無、⑤躍動感の有無である。日本の(1)において、これまで明らかにされていなかった以上①~⑤の関係性を、本研究において明らかにした。さらに、日本の(1)の調査の結果、本研究で取り上げる範囲は、二次元の描法と構成原理が継続している「手描き(肉筆画)・版画・2DCG・静止画」とした。また、過去から現在まで継続している描法、最近になって発生した描法、ならびに過去には隆盛していたが現在は収縮している描法、およびこれから創造開発することが望ましい描法の存在と可能性が明らかになった。「これから創造開発することが望ましい描法」は「水墨画」と「CG」であると考えられた。 そして(1)について、理論と描画法の構築、または再構築を行い、新描法「(ファッションイラストレーションにおける)スーパーグラデーション」を創造した。 それらを論文[査読有]および作品として発表し、本著書にまとめた。
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