2013 Fiscal Year Research-status Report
山口勝弘のデジタルアーカイブ作成:日本メディアアート生成史の研究および記録化
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24520181
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
シャルル クリストフ 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (50319224)
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Keywords | メディアアート / ビデオアート / 山口勝弘 / アーカイブ化 / データベース化 |
Research Abstract |
本研究は、1950年代以降活動し続けてきたメディアアートの先駆者、山口勝弘の資料(手稿、印刷物、写真、映像など)をアーカイブ化することにより、戦後の日本におけるメディアテクノロジーを用いた芸術、すなわち「メディアアート」を研究しようとするものである。 平成25年度には、平成24年度に引き続き、それまでデジタル化した資料を整理し、研究環境の整備、データベース化、アーカイブ化に必要な機材を一部揃え、デジタル化作業を始めた。山口勝弘の個人制作やグループ制作の関連記事(対談・展覧会・広報なども含めて)、評論活動や教育活動の関連記事(講演会・会議・連載記事資料)等を閲覧し、整理し、テキストや図版、写真などの資料を一部デジタル化した。山口勝弘の個人作品、日本及び海外のビデオアート作品、日本の造形芸術の展覧会記録、筑波大学の学生によるビデオアート作品の映像資料の閲覧や整理も行い続けた。 資料の閲覧、整理や分析以外は、本研究の出版の形態と可能性(文章及び音響・映像資料と文献資料の、インターネット及び印刷物の出版)について検討し、ドイツにある出版社(EVA Verlag)と相談しながら、日本語のみならず英語やドイツ語による出版について検討中である。フランスの国立科学研究機関(CNRS)の助成による、インタラクティブアートに関する書籍「Practicables」に於いて「山口勝弘のパフォーマンス」という論文は掲載された。米国「MIT Press」で英語版を出版する予定である(2014年夏出版予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
山口勝弘の大井のアトリエから武蔵野美術大学の研究室に移動した資料のアーカイブ化を進めている。この作業は24年度と25年度に引き続き、26年度に残りの資料のアーカイブ化を行う予定である。「実験工房」の創立メンバーである山口勝弘についての関係者のインタビューを、国内(関東や関西)と海外(ヨーロッパ:フランス、イギリス、ドイツを中心に)に於いて、2014年10月及び2015年3月に一部実施する予定である。 一方、日本のメディアアートへの海外からの関心も強くなりつつあり、ドイツ、フランス、アメリカなどで情報収集及びアーカイブに力を入れている団体や出版社も出てきている。関心を見せている組織(ニューヨークのEAI社など)や個人の研究者に可能な限りに協力していただくように現在働きかけている。 本業である武蔵野美術大学映像学科での教育活動及び制作活動を行いながら本研究を進めている。学生が日本のメディアアートの歴史を知ることは重要であるので、授業に於いて本研究の成果を反映するかたちで、学生にもその研究に手伝うように呼びかけた。平成24年と25年に東京都内や近県(国立新美術館、千葉美術館、神奈川県立近代美術館、世田谷美術館、等)に複数の展覧会及びレクチャー等も行われたこともきっかけとなり、学生は関心を見せるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度と25年度の継続作業(テキスト及び映像のデジタル化)を引き続き行っている。デジタル化したい映像資料は次の通り:映像資料(現在、武蔵野美術大学シャルル研究室に保管):山口勝弘の近年の映像作品、写真資料及び1940年代~2000年代までの印刷物/ドローイング/の前回の科研費の対象となった研究「戦後の日本の芸術とテクノロジー」の際にデジタル化した。山口勝弘の作品制作課程、作品の展示風景、作品制作に伴う講義記録などはまだデジタル化されていない。それらのビデオテープは今回の研究の対象になる。また、70年代以降の国内外のメディアアートや現代美術(絵画、彫刻、インスタレーション、パフォーマンス)の展覧会やイベントの記録も、そして筑波大学、神戸芸術工科大学などという教育機関での講義や演習の記録映像も多く、それらも今回の研究の対象になる。 映像ダビング用の3/4インチのビデオプレヤーは既に武蔵野美術大学映像学科に所有している。設置場所は武蔵野美術大学研究室になる。また、26年度にかけて国内外でのインタビューを行うと同時に、印刷物やインターネット出版の可能性も探る予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度に購入しる予定の機材は予測より価格が安かったため、使用予定の助成金をすべて使わなかった。また、25年度に行う予定だった日本の関係者のインタビューを、26年度に行いたい。 1-26年度に、インタビュー記録撮影用のカメラを購入予定(15万円以内)。2-関西、中部での関係者インタビューのための交通費、宿泊費、打ち合わせ費(合計12万円程度)。3-海外の関係者インタビューを行うための必要経費(海外航空券及び滞在費)は調整中である。4-デジタル化シタ文章や映像の資料、インタビューした内容の編集のためにアルバイトを依頼する予定:テキストのデジタル化(スキャニング)やVHS、U-Maticビデオテープのダビング作業に必要経費(学部生及び大学院生数名分アルバイト代、30万円程度)。
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