2013 Fiscal Year Research-status Report
20世紀初頭~戦間期ロンドンにおける寄席と劇場の関係
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24520198
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
赤井 朋子 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (70309433)
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Keywords | イギリス演劇 / ヴァラエティ劇場 / 劇場 / レヴュー |
Research Abstract |
1、日本演劇学会全国大会において「1910年代ロンドンのヴァラエティ劇場――坪内士行の見たレヴュー」と題する研究発表を行った。宝塚少女歌劇団で演出等の仕事に携わっていた坪内士行がイギリス留学中にどのようなレヴューをロンドンで観劇していたのかを具体的に報告した。大会テーマである「宝塚歌劇と世界の音楽劇」に関連の深い研究発表でもあったため、多くの学会参加者と意見交換することができ、たいへん有意義であった。 2、英米文化学会の分科会「イギリス近代演劇と劇場――19世紀末~20世紀初頭」において、ヴァラエティ劇場としてのロンドン・コリシーアムに関する報告を行った。特にロンドン郊外に住む新しいミドルクラスのための「健全な家族向けの演芸場」という側面に光をあてることにより、当時のロンドン・コリシーアムのヴァラエティ劇場としての重要性を論じるものであったが、発表後に分科会メンバーと意見交換できたのはきわめて有益であった。 3、2の報告内容をさらに発展させ、英米文化学会の例会において研究発表を行った。特に「劇場」でストレート・プレイに主演していた女優が、演芸場の寄席の演目に出演することにより、どのように異なるメディアやジャンルが接触して多様な演劇文化が生み出されたのかという問題について分析した。演劇に限らず広く英米文化を研究対象とするこの学会において、様々な角度からの質問やコメントを受けたのはたいへん有意義であった。 4、イギリスおよびフランスにおいて、一次資料の調査を行った。具体的にはロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館分館やパリのフランス国立図書館オペラ館等を訪れて、ヴァラエティ劇場に参入するようになった台詞劇(一幕劇)やレヴューなどに関する資料を主に調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の「研究実施計画」欄に記載した内容からは、具体的に取り上げる題材において若干の変更が生じたものの、交付申請書の「研究の目的」欄に記したことにはほぼ忠実に調査研究を行うことができた。その結果として今年度内に合計3回の研究発表を行うことができたので、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
イギリスで資料調査を行う。特に25年度の出張時に、移転作業中のため一部の資料が閲覧できなかったロンドンのニュースペーパー・ライブラリーなど、複数の図書館を訪れる予定である。また、25年度に行った研究発表に部分的な修正を加えながら、順次、論文として完成させていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度においては、予定していた書籍(主に洋書)が予定額より安価に購入できたので、次年度使用額(B-A)が80,466円となった。 海外出張の旅費(イギリス)、イギリス演劇関連書籍やパソコン周辺機器等の購入に使用する。
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Research Products
(2 results)