2014 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀初頭~戦間期ロンドンにおける寄席と劇場の関係
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24520198
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
赤井 朋子 神戸薬科大学, 薬学部, 准教授 (70309433)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イギリス演劇 / 劇場 / ヴァラエティ劇場 / レヴュー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、寄席と劇場の関係や両者の間の境界領域に目を向けることにより、20世紀初頭~戦間期のロンドンにおいてどのように新しい演劇文化が生み出されたのかを探ることであった。最終年度である26年度は、その研究目的に従って次のことを実施した。 1、25年度に行った学会発表を「ロンドン・コリシーアム――ミュージック・ホールから劇場へ――」と題する論文にまとめ、論文集『ロンドンの劇場文化――英国近代演劇史――』(共著)に掲載した。現在はオペラ劇場であるロンドン・コリシーアムもかつてはヴァラエティ劇場であったことに着目し、後に劇場へと変化するヴァラエティ劇場という側面からこの劇場を分析した。そして、高級文化と大衆文化の共存を可能にするその特異な上演形態が豊かな演劇文化の発展に寄与していたことを論じた。 2、森話社から刊行予定の『ステージ・ショウの時代』(仮題)に論文「チャールズ・B・コクランとロンドンのレヴュー」を執筆した。本研究のテーマでもある「寄席と劇場の関係」という視点を取り入れ、巨大なヴァラエティ劇場における見世物的なレヴューと時事諷刺を含んだ小劇場におけるインティミット・レヴューの2つのタイプのレヴューが、どのように関連し合いながら、イギリスのレヴューを発展させていったのかを論じた。 3、7月末から約10日間渡英して、バーミンガム大学図書館、大英図書館、ヴィクトリア&アルバート美術館分館において資料調査を行った。またウォリック大学で開催された国際演劇学会に参加し、情報収集や意見交換を行った。
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Research Products
(3 results)