2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520207
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
柴田 勝二 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (80206135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雄二 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60224549)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 日本近現代文学 / アメリカの影 / 情報社会 / 日常と非日常 / 国際研究者交流(アメリカ) |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は本科研の最終年度に当たり、これまでの研究の集成としてシンポジウム「戦後日本文学とアメリカ」を開催し、また論集『世界文学としての村上春樹』を本学出版会より刊行した。前者は学外より著名な文芸評論家とアメリカ人研究者を招き、本科研の担当者と協力者がそこに加わり、アメリカの文化的影響力に晒されつつ営まれてきた戦後日本文学をあらためて捉え直す貴重な機会となった。聴衆の反応も良く、活発な質問が出され、パネリストもそれに丁寧に答えるなど、盛況のうちに終えることができた。 後者は三年がかりでようやく刊行にこぎ着けたものであり、本科研の担当者と協力者が編者として、現代日本を代表する作家である村上春樹について、日本のみならずアメリカ、フランス、中国、台湾、韓国から論考を寄せていただき、さらにスペイン、ポルトガルなどにおける村上春樹の受容状況に関する報告、さらには諸外国での村上作品の翻訳状況などを盛り込むことことなどによって、多彩な内容を備えた論集となった。村上春樹はアメリカ文学の影響を強く受けることによって作家としての方法や技量を磨いていった作家であり、本科研のテーマとしてもっともふさわしい対象であるといえる。執筆者のうち二名はアメリカ人研究者ないしアメリカ文学を専門とする者であり、本科研の主眼である近現代文学における日本とアメリカとの関係を追究するという側面も十分に満たし得たと思われる。 これら以外でも、担当者は台湾でおこなわれた「国際村上春樹学会」で村上春樹における「メディウム(媒体)」に関する発表をおこない、各国の研究者と交流を持った。また協力者もポーを対象とするアメリカでの発表をおこない、学際的交流を持った。
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Research Products
(7 results)