2013 Fiscal Year Research-status Report
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24520225
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
河合 眞澄 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (00169674)
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Keywords | 役者評判記 / 挿絵 / 絵入狂言本 / 出版 |
Research Abstract |
歌舞伎の画像資料研究の端緒として役者評判記の挿絵資料研究を企図し、平成24年度に準備の整った拡大画像資料を元に、平成25年度はその検討を行った。 年間6回の共同研究会を実施し、主として享保年間の役者評判記の挿絵と評文の補完関係を検討した。評文を参考として挿絵を詳細に読み取り、挿絵がかなり正確に歌舞伎狂言の内容を反映していることを確認した。また、挿絵の作成にあたって、劇場側から本屋(出版業者)に対して何らかの資料提供が行われていたこと、有力な役者以外に描かれている位付の低い役者には後援者が存在すること、初日が出てから短期間に挿絵が作成されていたことなど、従来不明であった事柄に関して多くの推論を行った。 役者評判記に取り上げられている狂言の絵入狂言本が現存する場合には、当該狂言本の複写資料を入手して内容を熟読し、所収の挿絵を役者評判記の挿絵と比較する作業も行った。役者評判記と絵入狂言本で共通する場面の挿絵は、有力な材料としてとくに詳細に検討した。その結果、絵入狂言本が役者評判記に先行して出版された状況が明らかになった。如上の成果に関連して、研究協力者による研究発表・論文が出された。 挿絵データの集成は継続課題であり、記録する項目等について引き続き検討を重ねた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度は、26年度の研究費の一部を前倒しして使用するほど計画を順調に遂行できた。 役者評判記挿絵の資料収集については、計画通りに終了している他、絵入狂言本の複写資料も、ほぼ収集を終えている。 共同研究会も6回開催して、収集した資料の内容の検討も順調に進み、従来判明していなかった新しい事実を数多く発見している。 研究成果の公表は一部にとどまったが、次年度に研究発表および論文の公刊を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究会を実施して役者評判記の挿絵と絵入狂言本の挿絵を比較検討し、そこから近世期における演劇関係資料の出版実態の解明を進める。 また、25年度中に大阪府立大学学術センター図書館所蔵の歌舞伎番付の整理に着手し、画像資料研究の補助資料として行く。役者評判記の挿絵とともに、歌舞伎番付も将来的にデジタル・アーカイブ化することを目途として整理を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は、旅費および物品購入のため、26年度交付決定額から200,000円を前倒しして使用することとした。200,000円は概算であったため、32,700円が残った。 26年度の交付決定額800,000円と併せて、引き続き学会・研究会・資料調査の旅費および資料収集の物品購入費に充てる予定である。
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Research Products
(7 results)