2012 Fiscal Year Research-status Report
図像と文学形成の関連についての基礎的研究 伝承をビジュアルターンの視点で見直す
Project/Area Number |
24520229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tomakomai Komazawa University |
Principal Investigator |
林 晃平 苫小牧駒澤大学, 国際文化学部, 教授 (70156438)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 画像 / イメージ / ビジュアルターン / 亀趺 / 竜宮門 |
Research Abstract |
初年度は、当初の計画通り、記録保存用の一眼レフデジタルカメラと現地での他のデータとの比較のためのノートパソコンを購入した。その上で、近畿一部(大阪府・京都府一部・滋賀県一部)と四国全県、九州(資料対象の存在が確認されていない宮崎県を除く各県)の調査し、資料対象である龍宮門と亀趺の写真撮影を行った。この調査にあたっては、科研費からの支出以外にも、他の出張の機会にも時間を作り、三重県北部、岐阜県南部の調査、東京都内及びその近隣県などの調査も、随時にその都度行い、経費と時間の節約などを行っている。 これまでにわかったことは、資料の存在に地域による偏りがあることである。これはリスト作成の段階から予想されたことであるが、実際に現地に赴くことで、その印象をいっそう強く感じ、またそれを確認した。対象がイメージ(形)であるために、その形が、地域において伝承されたものであることがはっきりとつかめるのである。例えば亀趺については、熊本県菊池市の例や佐賀県有田町の例は、一族の墓石として亀趺が伝承されている例である。しかし、高知市の山内家の歴代藩主の墓所では、なぜ歴代藩主のうち四例のみが亀趺の形を取ったのかということに対する明確な理由を、現地における研究者も、また報告者も今のところ見出せないでいる。 これらの不可解な事例及び興味深い事例は、調査の進展に従って今後もさらに増えてくるであろう。収集されていく多くの事例によって、さらなる考察を続け、一定の見解を出していきたい。また、この調査をきっかけとして、従来その由来や建立年代が不明であったものが、調査の後に判明した事などもあり、さらにはっきりした成果が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度は、例年にない豪雪となり、12月から2月までの間に予定されていた現地調査は、実施不能となった。そのため、調査は3月中にできる範囲で集中して行うこととなった。しかし、当初の予定と比して、調査地に多少の変更を加え、雪の影響の少ない地を中心にして行った。具体的には天候や気温などを考慮し、近畿の南部、四国、九州といった地域を調査対象として選択した。そのため、天候の影響で調査地域等の変更はあったものの、計画の全体としては、ほぼ計画通りに近い進度となった。 25年度においても、地域における季節及び天候は予測を裏切るものがあり、そうした24年度の天候異変の影響を考慮して、調査の地域と方法などを実施することが肝要であろう。
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Strategy for Future Research Activity |
調査の対象となる資料の調査撮影を、さらに残りの地域で継続して行っていく。また、撮影対象を亀趺型石碑と門の画像だけに限らず、それに関わる文献等にも広げる必要を感じているので、接写可能なカメラのレンズを追加購入し、当該地における文献資料などについても、その資料の周辺についても可能な限り行っていく。さらに、各地域における先行研究者との接触を図り、情報交換などでより緊密かつ効果的な調査推進を行う。 また、中国(北京とその近郊)、韓国(ソウル及びその近郊)における現地調査においても、併せて博物館や美術館及び図書館などの、第二次的資料や文献などの調査にもさらに広げ、目配りのある調査をしていく。 前年度の反省から、調査対象地と日程については、気候・季節や社会状況を勘案し、当初の計画にこだわらず、事情に応じて、臨機応変にまた柔軟に対処して、実施していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は、これまでにデジタル画像として収集・記録れた資料を、机上での確認と比較研究を行うために、デスクトップ型のパソコンと高細密度のモニターを購入する。そして、研究の第二段階へと進む。また、資料の裏付けとなる文献資料などを当該地域の教育委員会や図書館を通して収集していく。そうした作業をやりやすくするために、現地訪問した際にも関係者や図書館などでの文献調査時間の確保のために日程の再検討を行う。 日本国内の現地調査については、中国地方、北陸地方、関東地方を中心に行う。また、国外の調査としては、当初の計画通り、ソウルと韓国北部の調査(5日、現地調査と文献調査および博物館等における実物調査)、北京とその周辺の調査(5日、博物館等における実物調査、図書館における文献調査、及び現地調査)を行う。これについても、季節と天候を考慮してさらに日程を詰めたい。
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