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2014 Fiscal Year Research-status Report

放鷹文化と鷹書類の研究

Research Project

Project/Area Number 24520247
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

中本 大  立命館大学, 文学部, 教授 (70273555)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 金 賛會  立命館アジア太平洋大学, 国際経営学部, 教授 (00331124)
二本松 泰子  長野県短期大学, 多文化コミュニケーション学科, 助教 (30449532)
山本 一  金沢大学, 学校教育系, 教授 (40158291)
中澤 克昭  上智大学, 文学部, 准教授 (70332020)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2017-03-31
Keywords鷹書 / 鷹狩り / 日韓放鷹文化 / 放鷹文化交流史
Outline of Annual Research Achievements

本年度において本研究課題を推進するために実施した主な研究活動は以下の2点である。
①韓国国立中央図書館での実施調査
②本研究課題の活動基盤となっている鷹書研究会主催の放鷹文化講演会の開催
上記のうち①については、朝鮮の鷹書である『鷹鶻方』の種々の写本や版本及び関連文献をを調査した。中でも李兆年編(14世紀)とされる『高麗古本鷹鶻方』(貴古朝68-41)は日本に伝来しなかったテキストであるため、現物は当館でしか閲覧できない朝鮮本である。今回の調査で同写本に古ハングル文字の書き込みが確認できた。このことから、同本は“高麗本”とは称するものの、実際に書写された時代はもう少し下がるものと予想される。また、李瑢編(15世紀)の『古本鷹鶻方』(古古7-30-44)は、韓国において『新編集成馬醫方』『新編牛醫方』と併せて「獣医学書」と一括認識されている点が注目される。というのも、たとえば我が国では、寛文6年(1666)に成立した『和漢書籍目録』の「軍書」に「馬書」「馬経大全」「同乗方」「朝鮮馬書」が分類されているが、その項目に「鷹書」は分類されておらず、“馬書”と“鷹書”は別種の伝書とみなされていたことが窺える。このような事象を端著として、日韓における伝書のテキスト享受と放鷹文化交流の実相を一端を明らかにすることができた。 ②については、第9回放鷹文化講演会「松代藩と鷹狩り」を開催し、かつて松代藩士であった祢津氏に関する鷹狩りをテーマにした講演会を行った。同講演会をきっかけに同氏の末裔である祢津家当主から当家伝来の鷹書類が存在することをご教示いただき、調査する機会を得ることができた。そのことによって、“祢津流の放鷹術”には、従来知られてきた祢津松鷂軒の流れを汲むもののみならず、松代藩に仕えた祢津家嫡流による流派が存在することが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初予定していた中近東での実地調査は実現できなかったが、韓国国立中央図書館での調査で予想以上の成果を得ることができ、国際的な放鷹文化交流史に関する研究については十分な進展があった。しかしながら、メンバーの日程が合わず、鷹書研究会の例会を開催することができなかったため、本研究課題の目的のひとつである鷹書類の輪読(注釈)作業が滞ってしまった。

Strategy for Future Research Activity

来年度は採択期間最終年度であることから、これまで蒐集した鷹書類の輪読(注釈)作業の集大成を期して鷹所研究会の例会を頻繁に開催する予定である。まずは、本研究課題の重要な目的のひとつである伝承文学全注釈叢書『立命館大学図書館西園寺文庫蔵鷹書類』(三弥井書店)の出版の遅延を取り戻すことを目指す。具体的には、今年度中に完成原稿を出版社に入稿することを第一目標として、4ヶ月に1度のペースで例会を実施する予定である。また、韓国の鷹書類についての追加調査も実施したい。その際、今年度の調査で得られた馬医方(馬書)及び牛医方と『鷹鷂方』との密接な関連性についてさらに知見を深めるべく、朝鮮本の“獣医学書”についての調査も並行して進めてゆきたい。
さらに、本研究課題のもうひとつの重要な目的である埋もれた鷹書類の発掘については、幕藩体制における鷹匠たちと関わったテキストを中心に調査を進めてゆく。具体的には、以下の3つの調査対象を予定している。①松代藩士の祢津氏の鷹書類・・・真田宝物館に所蔵されている祢津家の鷹書類について調査する。②仙台藩の鷹匠の鷹書類・・・伊達家に仕えた鷹匠たち(遠藤氏、井上氏、佐藤氏)の鷹書類について調査する。主な調査対象としては仙台博物館、飯豊町町民総合センターなどで所蔵されているものを予定している。③庄内藩の鷹匠の鷹書類・・・庄内藩の鷹匠であった平田家や豊田氏の鷹書類について調査する。主な調査対象としては鶴岡市郷土資料館で所蔵されているものや豊田氏の鷹書類を所蔵している個人(ドイツ人)を予定している。

Causes of Carryover

今年度は当初開催予定であった鷹書研究会例会が開催されなかったため、用意していた諸経費が執行されなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度は鷹書研究会の例会を頻繁に開催することによって、予定金額を執行する。その際にゲストスピーカーを積極的に招聘し、その謝金なども執行する。また、本研究課題の成果の一つとして二本松氏を中心にまとめている英語論文についての校閲費用を2014年度に執行できなかったため、それを2015年度に回すこととし、完璧を期したい。

  • Research Products

    (8 results)

All 2015 2014 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 国立公文書館内閣文庫蔵「宗養奥書本鷹書」(仮称)をめぐって―戦国末期但馬と鷹書―2015

    • Author(s)
      山本一
    • Journal Title

      金沢大学人間社会学域学校教育学類紀要

      Volume: 7 Pages: 11頁~20頁

  • [Journal Article] 近世における動物(鷹)飼育のマニュアル―新出資料の鷹書紹介―2014

    • Author(s)
      二本松泰子
    • Journal Title

      ビオストーリー

      Volume: 22 Pages: 078頁~087頁

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 祖母嶽神話と韓国―龍・珠(卵)・鳥・鉄の問題を考える―2015

    • Author(s)
      金賛會
    • Organizer
      記紀編纂1300年記念研究会
    • Place of Presentation
      宮崎公立大学(宮崎県宮崎市)
    • Year and Date
      2015-03-01
  • [Presentation] 祖母嶽伝説と韓国―鉄文化の視点から―2015

    • Author(s)
      金賛會
    • Organizer
      アジア民間説話学会日本支部
    • Place of Presentation
      立命館大学(京都府京都市)
    • Year and Date
      2015-02-14
  • [Presentation] 大分の祖母嶽神話と韓国の夜来者神話2014

    • Author(s)
      金賛會
    • Organizer
      韓国日本近代学会
    • Place of Presentation
      鹿児島国際大学(鹿児島県鹿児島市)
    • Year and Date
      2014-11-01
  • [Presentation] 鷹書と鷹歌2014

    • Author(s)
      山本一
    • Organizer
      中世文学会
    • Place of Presentation
      金沢市文化ホール(石川県金沢市)
    • Year and Date
      2014-10-04
    • Invited
  • [Presentation] 放鷹・鉄文化としての「百合若大臣」と「成造クッ」2014

    • Author(s)
      金賛會
    • Organizer
      韓国日本近代学会
    • Place of Presentation
      東明大学(韓国・釜山)
    • Year and Date
      2014-05-17
  • [Remarks] 鷹書研究会

    • URL

      http://takasyoken.exblog.jp/

URL: 

Published: 2016-05-27  

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