2017 Fiscal Year Annual Research Report
Gender Performativity in the Writing of Angela Carter
Project/Area Number |
24520307
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
生駒 夏美 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (60365525)
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Project Period (FY) |
2013-02-01 – 2018-03-31
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Keywords | アンジェラ・カーター / パフォーマティビティ / 日本 / 文楽 / 歌舞伎 / 刺青 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はこれまでの研究成果を複数書籍化し、出版することができた。一本はRoutledgeから単行本学術書所収で出版され、もう一本も単行本学術書所収でWayne State University Pressより近日刊行される。さらにもう一本もイギリスの出版社から近日刊行予定である。いずれも海外の著名な出版社から英語での出版を果たすことができ、国際的なカーター研究において重要な貢献をすることができた。 _Seduced by Japan: A Memoir of the Days Spent with Angela Carter_は、アンジェラ・カーターが日本滞在中の出来事について荒木創造氏が記したものを英訳し、海外の読者に向けて注を付し、またアーカイヴ研究で得られた知見を最終章に盛り込んだもので、英宝社から英語で出版した。この書の企画から出版まですべて研究代表者が管轄したものである。カーター研究において、これまで日本滞在中の出来事は空白期間とされていて、特に荒木氏については謎とされてきた。本書はその空白部分を補う大変重要な書となり、出版直後から大きく注目されている。近くBBC2で放映されるカーターのドキュメンタリー番組でも取り上げられることとなった。 いすれの出版においても、カーターの文学作品の分析で重要なPerformativityの概念が日本の演劇や文学、日本での生活の大きな影響を受けて発展されたものであることを国際的な学術研究の形で知らしめることができ、カーター研究における日本の影響の位置を大きくすることができた。
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