2013 Fiscal Year Research-status Report
英米文学におけるトランス・アトランティックなエンブレムの受容と変容
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24520311
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
松田 美作子 成城大学, 文芸学部, 准教授 (10407611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 光重 成城大学, 文芸学部, 准教授 (60367266)
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Keywords | 瞑想 / エンブレム / トランスアトランティック / ソロー |
Research Abstract |
16-17世紀英国における宗教的図像の理解を深めるため、ピーター・デイリー編著Companion to Emblem Studies(NY: AMS Press, 2008)の翻訳に参加、伊藤博明編『エンブレムの宇宙』(ありな書房、2013年)として上梓した。また、シェイクスピア学会セミナー「近代初期英国におけるテクストと視覚文化」をコーディネートし、文学テクストとエンブレム的表象の関係を発表した。また、2013年12月30日から2014年1月5日にはローマへ出張し、改装なったボルゲーゼ美術館などにおいて、神話画、天井画装飾の寓意表現を調査した。それらの一部がどのように宗教的エンブレムの図像に変容されたのかを今後追求する予定である。 さらに、3月16日には17世紀英文学会関西支部第195回例会(大阪YMCA会館)にて、「近代初期英国のテクストにおけるdevise/device」というタイトルで口頭発表し、おもにシェイクスピアの『リチャード2世』2幕2場の庭園のシーンを分析し、当時のイングランドにおいて広くエンブレムに類した視覚表象が受容されていたことを指摘した。 研究分担者(佐藤)は、ヘンリー・ソローの作品におけるエンブレムの影響を調べるため、アメリカにおけるエンブレム研究の先行研究のうち主要なものを調べ、購入可能な資料を入手した。とりわけソローとエンブレムとの関係についての先行研究を収集した。ついで、ソローの一次資料および日本では入手困難な資料を調べるため、マサチューセッツ州のソロー・インスティテュートへ出張し、調査にあたった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は、複数の論文の掲載のほか論集を一冊刊行し、海外の学術誌に書評を寄稿するなど実績を残した。 共同研究者は資料の収集に努めたため、その成果を26年度に発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度として、トランス・アトランティックな視野を持つ研究者を招聘した講演会もしくはシンポジウムを企画、運営する。ならびに、これまでの調査をもとに、成果を論文等に纏める。 研究分担者は、収集した資料、および出張先での調査をもとに、ヘンリー・ソローについてのエンブレムの影響やその意義について研究する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
洋書書籍の納入が一部遅れたため。 書籍の購入に充てる。
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