2015 Fiscal Year Annual Research Report
初期アメリカの体制反乱事件とその文化的・文学的影響に関する研究
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24520327
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
白川 恵子 同志社大学, 文学部, 教授 (10388035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 以知郎 同志社大学, 文学部, 教授 (90097858)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 初期アメリカ / 共和政期 / アンテべラム期 / 組織的反乱 / 体制転覆 / 黒人奴隷 / 独立革命 / 幸福追求の権利 |
Outline of Annual Research Achievements |
初期アメリカにおける民衆の組織的反乱や抵抗精神の生成に関して、その政治性を含め、文学文化史的視座から包括的な影響関係を探ることを意図して本研究も、最終年度を迎えた。申請当初予定していた考察事項を拡大敷衍する形で進捗してきた本研究の最終年も、複数の成果を残すことができた。ここに概要と合わせて記す。
白川は、①建国直後のヴァージニアにて起こった名門一族ランドフル家のビザール・スキャンダルとその後のナンシー・ランドフルのガバヌール・モリスとの婚姻から、マイノリティーである「犯罪者」女性の抵抗精神と「幸福追求の権利」について、the Mansion of Happiness(ボードゲーム)の文化史的視座から考察し、シンポジウムで口頭発表した。②奴隷叛乱首謀者であるナット・ターナーを巡る現在の動向についてエッセイを記した。③反乱者ジョン・ブラウンの意思を継ぐものとして、南北戦争時に黒人部隊を指揮したトマス・ウェントワース・ヒギンスンについてコラムを記した。④1741年NY奴隷叛乱についての口頭発表を行った。⑤シェイズの叛乱を背景とした独立革命以降の悪漢自伝『スティーヴン・バロウズの回想録』に関する論文を執筆した(現在印刷中)。⑥マット・ジョンソンの抵抗する混血出自宣言とこんにちのアメリカの人種状況を示す小説『ラヴィング・デイ』に関する論文を執筆した。⑦『19世紀アメリカ文学における≪ダブル≫を探る』の書評を執筆した。
林は、具体的な執筆はないが、クーパーの海洋ロマンスについて引き続き研究中であり、今後の総括が期待される。
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Research Products
(7 results)