2014 Fiscal Year Annual Research Report
グリム童話を中心とするドイツ伝承文学におけるジェンダー
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24520379
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
野口 芳子 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (30164685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝井 裕一 関西大学, 文学部, 准教授 (60551322)
大野 寿子 東洋大学, 文学部, 准教授 (20397491) [Withdrawn]
山本 まり子 聖徳大学, 音楽学部, 教授 (00383448)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ドイツ / ドイツ伝承文学 / ジェンダー学 / グリム童話の父母像 / 伝承文学の父母像 / 学際的研究 / 外国文化受容論 / 異文化比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
8月19日~27日、ドイツ・カッセルのグリム兄弟博物館および資料館で、明治期の日本語訳に用いられた英語版グリム童話について調査し資料収集した。さらに2015年2月17日~26日、イギリスの大英図書館、オックスフォード大学ボドリアン図書館、ケンブリッジ大学図書館にて資料収集した。その結果、最初の英語教科書に加えられた改変は英語版ではなく、主として日本でなされたものと判明した。 8月10日、昨年の日本ジェンダー学会大会での野口の発表が日本ジェンダー学会誌『日本ジェンダ―研究』第17号に掲載された。題名は「『ドイツ伝説集』における父親像と母親像」である。 10月11日、昨年度日本独文学会秋季大会シンポジウムで発表した5人(科研メンバー全員)の発表が、日本独文学会研究叢書102号として出版された。叢書編集者は野口、書名は『グリム童話とドイツ伝説集における父親像と母親像』である。個々の執筆論文は、溝井「ハーメルンの笛吹き伝説における父親像と母親像」、竹原「『灰かぶり』と『千枚皮』における父親像と母親像」、山本「『少年の魔法の角笛』に基づく音楽作品における父親像と母親像」、金城ハウプトマン「ドイツ現代伝説における父親像と母親像」、野口「グリム童話全体における父親像と母親像」である。 11月15日、グリム童話刊行200年記念講演会を開催し、「前近代ドイツにおける『家』とジェンダー」という演題で、奈良女子大学研究院生活環境科学系教授、三成美保氏を招き、専門的知識を提供してもらった。家族の持つ意味が時代より異なり、それに応じてジェンダー観も変遷するということを明らかにすることができた。 11月24日、伝承文学の国際的研究誌「Fabula」56号に2013年度国際口承文芸学会での野口の発表が掲載されることに決定した。受容の際に見えるジェンダー問題を明らかにすることができた。
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Research Products
(16 results)