2014 Fiscal Year Annual Research Report
中国における伝統芸能テクスト創出の機構解明と文化資源としての活用
Project/Area Number |
24520388
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
上田 望 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (90293331)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中国文学 / 寧波 / 伝統芸能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題・基盤研究(C)「中国における伝統芸能テクスト創出の機構解明と文化資源としての活用」(課題番号24520388 代表者:上田 望,金沢大学人文学類)では、中国浙江省の農村地帯においてローカルな伝統芸能の現地調査を実施し、収集した資料を整理・電子化し芸能データベースを構築した上で、中国において通俗文学のテクストが創出される機構を修辞・物語レベルから解明することを研究目的としていた。この3年間の調査研究により、以下に記すように所期の研究目的を達成できたと考える。 1)現地調査による資料収集 2013年から2015年にかけて中国の旧正月期間中に、寧波地区を中心に各地の寺廟や仮設舞台、公民館などで上演された中国伝統芸能の調査を実施し、劇団や芸能者にインタビューするとともに、越劇・甬劇・寧波走書などの貴重な映像記録を可能な限り記録・収集し、これらをすべて電子化・データベース化した。①2013年2月17日~2月24日:寧波市咸祥鎮南頭村和諧楼など。②2014年2月6日~2月13日:邱隘鎮橫涇村老年活動室、象山県丹城姜毛廟など。③2015年3月1日~3月9日:寧波市塘渓鎮鄒渓廟、寧海県長街鎮長街村など 2)テクスト創出の機構解明 芸能のテクストがどのように作り出されるのかを解明するために、現地調査で入手した寧波走書「白鶴図」の梗概本を研究協力者とともに詳細に分析し、梗概本からどのように上演用のテクストが芸能者によって紡ぎ出されるのかを注釈などを通じて具体的に明らかにして、現地の芸能者たちの今後の上演に利用できるよう、その成果を科学研究費成果報告書「中国における伝統芸能テクスト創出の機構解明と文化資源としての活用 付 寧波走書「白鶴図」校注影印」として公刊した。また、その中で一時期の衰退から復活しつつある民衆文化の現状と動態について紹介した。
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[Journal Article] 寧波走書『白鶴図』について2015
Author(s)
上田 望
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Journal Title
平成26年度科学研究費補助金基盤研究(C)研究成果報告書(課題番号24520388)「中国における伝統芸能テクスト創出の機構解明と文化資源としての活用 付 寧波走書「白鶴図」校注影印」
Volume: 1
Pages: 2-10
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