2013 Fiscal Year Research-status Report
ビルマ文学史における1940年代の研究~日本占領期文学から戦後文学へ~
Project/Area Number |
24520395
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南田 みどり 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 名誉教授 (80116144)
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Keywords | ビルマ文学史(現ミャンマー連邦) / 日本占領期 / 内戦 / 抗日統一戦線 / 文学の階級性 / 抗日文学 / 検閲 |
Research Abstract |
本研究は、依然としてビルマ本国で研究の蓄積が十分でない日本占領期(1942-45)のビルマ語文学に関して、戦後文学の諸相から照射することによって、1940年代文学をとらえなおし、ビルマ文学史研究における1940年代の役割を検証することを、主な目的としている。 研究代表者は、平成21年度ー23年度科学研究補助金による日本占領期文学研究の成果に基づき、同研究期間に収集できなかった資料の収集と聞き取りの継続、戦後に出版された回顧録等による日本占領期文学像の補完、1945年8月から1949年までに出版された長編小説の収集分析により、占領期小説の戦後小説への継承を検証し、日本人の形象化の変遷をも確認したうえで、40年代末の文学の階級性をめぐる論争と40年代文学との影響関係を考察することを目指している。 25年度はビルマへの2回の現地調査と資料収集等を経て、以下のような成果を得た。 第一に、論文「1945年のビルマ文学~日本占領期から英領期へ~」を執筆し、1945年出版作品25点を丹念に読み解くなかで、それらが日本占領期における文学の役割(娯楽・啓蒙・プロパガンダ)をおおむね継承したものであること、とりわけビルマ軍を扱ったプロパガンダ的要素が抗日作品に継承されていることなどをあきらかにできた。第二に、「ビルマ文学の700年 作家たちは書き続ける」で、これらの時代をふまえたうえでのビルマ文学史概説を展開し、第三に「長編はよみがえるか」では、現代文学の現状と40年代文学のかかわりを明らかにすることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2回の現地調査、資料収集、ならびに聞き取り等によって、必要な資料の収集ならびに事実確認が進展し、1945年のビルマ文学に関しても論文にまとめることが可能となったため、おおむね順調に上記の研究の目的が達成されていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
収集済みの資料を整理し、現地におけるさらなる資料収集と聞き取り調査の準備を進め、それらを実施する。収集した資料と聞き取り調査の結果を整理し、中間まとめとして学術誌に論説を執筆する。ビルマ近現代文学史上の40年文学の位置づけを確認するために、現代文学にも目配りを行う必要から、『21世紀ミャンマー作品集』(仮題)編訳の作業を進める。1946年文学に関する論文執筆に向けて資料を整える。
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Research Products
(3 results)