2013 Fiscal Year Research-status Report
二〇世紀前半に現在の中国領内で刊行されたモンゴル語定期刊行物の研究
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24520407
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
呼和巴特爾 バートル 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (80338540)
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Keywords | モンゴル語定期刊行物 / ハーバード大学YENCHING LIBRARY / インディアナ大学SRIFIAS LIBRARY / 服部四郎文庫 / アジアの文献資料 / モンゴル語出版史 / モンゴル語近代語彙 |
Research Abstract |
8月末から9月下旬にかけてアメリカ合衆国のシカゴ大学のTHE JOSEPH REGENSIEIN LIBRARY、ハーバード大学のYENCHING LIBRARY、インディアナ大学の SRIFIAS LIBRARY とHERMAN B WELLS LIBRARYなどで、20世紀前半に中国で刊行されたモンゴル語定期刊行物を中心に資料調査を行った。今回の調査では科研費の研究テーマについて全体にわたる資料調査と収集ができただけでなく、アメリカ合衆国におけるアジア研究、とくにモンゴル・チベット研究で知られる大学でモンゴル研究に係る資料についても全体的に行き届いた調査ができた。それにより、中国で刊行された古いモンゴル語定期刊行物に関しては他国にはまだ保存が確認されていないいくつかの重要な資料の入手ができたほか、例えば、インディアナ大学HERMAN B WELLS LIBRARYに保存されている『蒙話報』(漢蒙合璧雑誌)のマイクロフィルムが東洋文庫にある原本によるものであるなど、この分野の資料交換の状況についても一部把握することができた。 9月下旬には島根県大学図書館にある「服部四郎文庫」で二日間にわたって資料調査を精密に行った。服部四郎は世界的な言語学者で、特にアルタイ比較言語学、モンゴル語研究でその名が知られ、戦時中に満洲国など現在の内モンゴル領内で研究調査をしていたため、当時現地から入手してきた貴重な資料が多かった。ここでは「服部四郎文庫」におけるモンゴル研究資料の全貌を確認し、その多くの資料を予定の時間内に撮影することができた。これらの資料はいずれも本研究テーマにとって欠かせない重要な資料であり、今後の研究でその分析による成果が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
20世紀前半に現在の中国領内で出版されたモンゴル語定期刊行物の調査と収集の作業自体は基本的に順調に進んでいる。特に、アメリカ合衆国と島根県立大学図書館「服部四郎文庫」での調査は十分に行われ、達成度がたいへん高いと考えている。しかし、中国国内での調査は春休みに実施できなかった関係でやや遅れているが、26年度夏休みの調査日程に入れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の重点は、モンゴル学研究の資料が多いことで知られるロシア連邦のサンクトペテルブルグ大学及びドイツの著名なモンゴル学者ワルター・ハイシッヒがいたボン大学で資料調査を行うことである。ハイシッヒ教授が戦前内モンゴルから収集した関連資料については十数年前にボン大学で調査を行ったことがあるが、再調査の必要がある。中国国内では北京を拠点に東北部や西北部のでの資料調査を予定している。海外での資料調査はいずれも夏休みを中心に行う予定であり、その後は、資料の整理保存作業を進めると同時に資料分析や関連資料を用いての研究と執筆を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
春休みに海外で実施予定の資料調査ができなかったため。 平成26年度に海外で行う予定の資料調査で使用する。
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Research Products
(3 results)