2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520411
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
西 成彦 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (40172621)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 比較文学 / 植民地文学 / ポストコロニアル / ディアスポラ / バイリンガリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年度に着手した本研究の最終年度は、所属大学の「学外研究期間」と重なり、ポーランドで約50日間、ブラジルで約50日間の調査研究に時間を割くことができたほか、その他の時期も、余裕をもって研究を締めくくることができた。特に、近代以降の日本語文学研究に関しては、1)従来の外地概念の拡張と、2)敗戦=帝国崩壊後の変容の研究において、「バイリンガリズム」の観点から進めてきた一連の成果を、著書『バイリンガルな夢と憂鬱』(人文書院、2014年11月)にまとめることができた。これまで研究上の協力関係にあった内外の研究者に献本を行うことで、今後の研究連携の基盤も形成できた。 また3)比較植民地文学研究の方面では、「先住民族とポルトガル系入植者とその他の移民」の混成からなるブラジルでの調査を進め、またポーランドでの予備研究を踏まえた上で、東欧系移民(ユダヤ系、および非ユダヤ系)のブラジル文学への寄与を、日系移民のそれと比較対照することが可能になり、「比較植民地文学」の方法を縦横に試すことができた。 その他、日本滞在期間中には「帝国日本への対し方」と題したワークショップに二名の韓国人研究者を招聘し、「帝国日本の周縁部」における日本語文学の在り方に関して、日韓両国間で今後の研究協力を進めるための基礎を固めることができた。
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Research Products
(4 results)