2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520420
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中山 俊秀 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70334448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 久美子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (40401426)
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Keywords | 危機言語 / 形態統語法 / 複統合性 / ワカシュ語族 / カナダ |
Research Abstract |
本研究は、複統合性という形態的タイプが一言語の文法体系の中でどのように分布し、構造的リソースとして活用され、言語表現形成上の特性を形取るのかについて、ヌートカ語を対象としたケーススタディーを通して明らかにしようとするものである。 本年度は、初年度に基盤整備を終えて試験運用を完了した2つの研究データベース(語彙的接尾辞の用法データベースおよび複統合的な語の統語的・語用論的用法データベース)に本格的にデータの入力を進め、中核的データの入力を完了した。8月にはカナダ、ブリティッシュコロンビア州ポートアルバーニ周辺で現地調査を行い、研究活動で明らかになった問題に関する追加調査、および研究資料の収集を行った。初年度に電子化された過去の未公刊言語資料の分析も進めた。分析データは方言ごとに別のデータベースとなっているが、データの基本フォーマットは共通しているため比較対照ができるようになっている。 構築したデータベースを活用し、ヌートカ語の複統合的語形成の特性を(1)内部に許される構造的及び意味的な組合せと階層構造、(2)語彙的接尾辞のコロケーションパターン、(3)統語的(分析的)表現との交替のパターンなどから分析した。その成果は国際シンポジウム International Symposium on Polysynthesis in the World’s Languages において発表し、複統合性の多様性と普遍性に関する理論的議論に資することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の活動は主として、研究データベースの拡充、現地での追加調査・研究資料収集、電子化された未公刊資料のデータベース化、および構築した研究データベースを基盤としたヌートカ語複統合性の特性についての詳細分析を計画していたが、それらの活動は順調に進み、そこで得られた実績も当初予定したとおりであった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の活動が計画通りに完了したので、研究最終年でである次年度も当初計画のとおり進め、研究成果のとりまとめを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度活用しはじめ次年度も活用しつづける共同研究用ウェブサービス使用料を確保するため。 共同研究用ウェブサービス使用料として使用する。
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Research Products
(4 results)