2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520420
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中山 俊秀 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70334448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 久美子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (40401426)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 危機言語 / カナダ / 複統合性 / 形態法 / ワカシュ諸語 / ヌートカ語 / 国際調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度の平成26年度には、語彙的接尾辞の組合せに焦点を当てた形態構造データベースと自然談話データベースをあわせて活用し、ヌートカ語の複統合性に関する理論的研究を中心に研究を進めた。8月に行った現地調査を通してデータベースの拡充や質の向上を図ることで、研究の洞察を深め、精度を上げることができた。 複統合的な言語の多くは複数の語根を組み合わせる複合を主たる語形成法として用いるが、ヌートカ語はもっぱら接尾辞を用いた手法を用いて複統合性を実現している。本研究では、ヌートカ語特有の語彙的接尾辞の意味と機能を幅広く捉えるとともに、この通言語的に比較的珍しいタイプの複統合構造の詳細な分析を通して、複統合性の構造的多様性の幅を明らかにすることができた。 また、本研究では、複統合的語形成の組み立て、内部構造ばかりではなく、自然談話の中での複統合的語の分布を分析し、談話の中での情報構造の制御に複統合的語形成がどのような機能的役割を負っているのかについても重要な知見を得ることができた。この成果は、複統合性を単に語形成法上の問題・特徴として捉えるのではなく、文形成、談話形成をも含めたより広い範囲の文法体系のなかに位置づける上で重要である。 これらの研究成果の中核的部分は、複統合性に関する国際シンポジウムにおける発表および国際的論集に含まれる論文としてまとめた。 以上の研究活動により、本研究の当初に計画されていた、複統合的語形成を、構造、機能、自然談話の中での使用のあり方について多面的に調査・研究し、一言語の中で複統合的語形成が文法構造全体にどのような影響を与えるのかを明らかにするという目的は十分に果たされ、将来的な通言語的比較研究の基盤を構築することもできた。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] Toward an Organic View of Unit2014
Author(s)
Nakayama, Toshihide; Nakayama, Kumiko
Organizer
Helsinki Symposium on Matches and Mismatches of Units in Interaction
Place of Presentation
University of Helsinki
Year and Date
2014-09-11 – 2014-09-12
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