2015 Fiscal Year Annual Research Report
日本語・中国語・タイ語受動文の比較統語論研究及びデータベースの構築
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24520423
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
綾野 誠紀 三重大学, 教養教育機構, 教授 (00222703)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 統語論 / 受動文 / 日本語 / 中国語 / タイ語 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、先ずは日本語の受動文の統語構造に関する検討を行った。尊敬化表現等を用いて、受動文の主語位置への移動の有無、また、その移動の起点について明らかにすることにより、Kubo(1990)やHasegawa (2009)において提案されている直接受動文と所有受動文との並行性を示すと同時に、これら2種類の受動文と間接受動文との違いを明らかにした。さらに、二重他動詞を所有受動文に用いることにより、二重他動詞文内の複数の内項の統語位置について検討した。以上の検討の過程で明らかになった各種データを取り纏めた。成果の一部については、The 17th Seoul International Conference on Generative Grammar及びLinguistic Association of Great Britain 2016 Annual Meetingにおいて報告した。また、二重他動詞の内項に関わる成果については、論文として刊行する準備を行った。さらに、中国語及びタイ語の受動文の統語構造について、直接受動文、所有受動文、間接受動文、イディオム表現、数量詞を用いることにより検討した。その結果、両言語間の差、さらには、日本語との差は、各言語の受動形態素の統語特性にも起因すると考えることにより説明可能であることを提案した。考察の過程において収集・作成した各種データについても日本語の受動文同様に取りまとめた。
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Research Products
(3 results)