2016 Fiscal Year Annual Research Report
An integrated study for the advancement of Japanese corpus linguistics
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24520425
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田野村 忠温 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40207204)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コーパス言語学 / 近代日中語彙交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、コーパス(電子媒体の言語研究資料)を用いた日本語研究の新たな領域と手法を開拓し発展させることによりコーパス日本語研究の高度化を推進するとともに、コーパス関連ソフトウェアの開発・公開などを通じて学界におけるコーパス日本語研究の普及・実践に寄与することを目的とする。 本年度は、日本語コーパスに基づく各種の事例研究の可能性を追求するとともに、それを通じて獲得した大規模な言語資料からの情報抽出と分析の技術を用いて、19世紀に作られた重要な新語の1つである「科学」の日中両語における語史および真珠湾を表す日中両語の各種名称の変遷の解明などに取り組んだ。 また、それらの考察で用いたWebコーパスの近現代語史の研究への適用の方法やその注意点を解説した論文、サーチエンジンのヒット件数の信頼性をめぐる最新状況の分析を述べた報告、国立国語研究所で開発中の日本語歴史コーパスを主題とする論文集の書評の執筆を通じて、単なる事例研究を超えて一般的な視点からコーパスをめぐるさまざまな問題に関して発言を行った。 また、各種のコーパス関連ソフトウェアの開発・公開にも継続的に取り組み、インターネット上に公開しているKWICソフトウェアや日本語用例検索サイトを維持、改良したほか、中国清代に編纂された韻書『佩文韻府』の全文から語句を検索し、中国の古典における語句の用法の概要を手軽に確かめることのできるサイトを作成・公開した。いずれのソフトウェア、検索サイトも頻繁に利用されている。
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Research Products
(10 results)