2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520445
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
古木 誠彦 九州女子大学, 人間科学部, 准教授 (90341297)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換(中国) |
Research Abstract |
本年度においては、当初の計画通り「昭王期金文の調査」を中心に行い、現存する研究書籍等を基礎資料として、昭王期金文の確定もしくは時代の近似性について明確にした。本研究の基礎資料として取り上げた書籍は以下である。当初計画していた資料よりも、より詳細な関係書籍が出版されたため資料対象をプラスした。 『西周青銅器銘文分代史徴』『商周青銅器銘文選』『商周金文模釈総集』 『近出殷周金文集録二編』『殷周金文集成』『商周青銅器銘文キ図象集成』 これら書籍中で、時代区分が一致しない金文銘文に関しては、他銘文との比較検証を行い、研究者の主観において時代決定もしくは近似の時代と推定した。これらの書籍は中国内の出版であるため、入手に時間を要したのも事実である。ここ数年来、金文研究関係の書籍が出版されずにいたが、この諸書籍は近年の出土新資料と新考察を含むため、国内外の同系の研究者にとっては待望の資料であることも入手時間の延引になった。 当初の計画では、『説文解字』に則した『昭王期金文字書』の作成を予定しているが、現在進行中である(計画では次年度も継続)。予測として、多少困難をきたしている。その原因は、異体字に関する取り扱いである。異体字が、現段階で数文字見つかったが、その解釈に時間を要している。異体字に関しては、本研究に関する重要ポイントであるため、ある程度時間がかかる事は仕方ないと考える。現段階では、『周禮』との関連性についての考察中である。 他に関しては、当初の計画通りに遂行出来ていると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記、研究実績のように達成しており、大まかな範囲では順調である。 しかし、『昭王期金文字書』に関する制作については、多少急を要すると感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね研究計画通りであるが、2012年は、日本と中国の国際状況の不安定や鳥インフルエンザ等による渡航状態の悪化(懸念)により、国外(中国)の博物館等における実地研究が、予想以上に進まなかった。今後は、この点を考慮して研究を進める予定である。 上海博物館・故宮博物院(台湾)を中心に、実地研究を並行しながら、計画通りに、異体字の字義について、より明確な検証を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現段階では、特に、最新の資料書籍等の出版に関する情報はないが、本研究の性質より、最新資料の購入と前年度実施できなかった(中国との国交状況不安定のため)現地での実地研究に研究費用を充てる予定である。 現地調査においては、現地研究員との情報交換や研究テーマに関する研究協力の依頼などが主になるであろう。また、現地研究者への協力等に関する謝礼も発生する可能性も視野に入れている。
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