2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520450
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
NARROG Heiko 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (40301923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 武志 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (10292492)
小野 尚之 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (50214185)
真田 治子 立正大学, 経済学部, 教授 (90406611)
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Keywords | 意味論 / 言語変化 / 類型論 |
Research Abstract |
平成25年度にも研究題目関連資料の収集及びデータベースの構築作業を続けた。研究資料として、200言語のデータベースを補う文法・語彙記述が入手でき、歴史変化に関する資料も入手できた。歴史的変化の方向性に関して、8月にオスロの国際歴史言語学会で発表を行い、二次的文法化、つまり文法化された形式の更なる文法化における意味変化について本研究の成果の一部を取り上げた。つまり、文法化の後期段階において、格の場合、一時的な文法化に見られる主観化が見られず、より抽象的な文法的な意味への変化が見られることを、本研究で得た意味図を用いて示した。また、他の文法領域も類似した変化を示すことができた。10月にアムステルダムでワークショップを開催し、そこでも発表を行ったが、今回は、文法化の意味的側面と統語論的側面の相関関係が焦点であった。これにおいても、本研究課題で得られた意味的変化の成果を取り上げ、話し手志向・聞き手志向・談話志向への変化がより上への階層という統語論的変化に相関することを論じた。日本語の自他動詞対に関して、昨年始めた頻度調査を継続しデータを改良した。本年度中に論文集が刊行される。 通言語的な「格」データの多次元尺度法(Multi-Dimensional Scaling)による意味分析のプログラムは真田の努力によっていくつかの新バージョンができたが、思うような結果が得られていない。現在、MDS以外の方法も視野に入れている。格と意味役割についての論文集の編集が最終段階に入り、本年度刊行を迎える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料収集、意味変化の方向性、動詞の自他対については順調あるいは期待以上進んでおり、モダリティと格(MDSによる意味図の自動作成)については進度が期待を下回っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に引き続き、平成26年度に研究題目関連資料の収集及びデータベースの構築作業を続ける(⇒物品費、謝金の使途)。平成24年度と平成25年度には一定の進度があったが、随時に研究資料の改善と更新を行う必要がある。 分析においては、引き続き、意味変化の方向性についての検討を行う。より抽象的な意味機能と、話し手中心化傾向・聞き手中心化傾向・談話中心化との関係を解明することが必要である。通言語的データに基づいて、格が最終的に(1)時間、因果、契機などの詞的機能と、(2)主格、能格、対象、絶対格、といった極めて抽象性が高い意味機能へと変化することが判明したが、これが主観化であるとしたら、通常言われている、話し手態度・意見の表明とは次元の異なる主観化ということになる。または、文法・談話の構成要素の発達として、談話中心化の一種と見ることも可能だろう。また、普遍的方向性に反する研究のもうひとつとして、形態面における「外適応」の解明にも取り組無予定である。文法化の果て、語彙に吸収された形態要素が再文法化するという課程であるが、日本語において関連する変化の例が少なくない。 「格」データの多次元尺度法(Multi-Dimensional Scaling)による意味図表示の開発も真田の協力で今年継続する。平成25年度に得たMDSの意味図表示の結果は期待はずれだったので、同時に、MDSの変わりになる統計的表示法を探す予定である。
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Research Products
(14 results)
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[Book] Word length: aspects and languages2013
Author(s)
Popescu, I.-I., Naumann, S., Kelih, E., Andrij Rovenchak, A., Overbeck, A., Sanada, H., Smith, R., Mohanty, P., Wilson, A., Altmann, G.
Total Pages
422 (224-281)
Publisher
RAM-Verlag
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