2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520450
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
Narrog Heiko 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (40301923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 武志 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (10292492)
小野 尚之 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (50214185)
真田 治子 立正大学, 経済学部, 教授 (90406611)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 意味論 / 言語類型論 / 歴史的変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度にも研究題目関連資料の収集及びデータベースの構築作業を継続的に行った。分析においては、日本語の文法化を地域性と言語類型による文法化への影響の中で、その特徴を位置づけようとして、昨年7月の国際シンポジウムで発表を行った。なかんずく、形態変化において日本語はいわばほとんど模範的な文法化の一例をなしていることを示した。ところが、その例外も示した。関連して2016年3月に発行された「外適応」についての論文集において、日本語における「外適応」の全体像を示そうとした。日本語における外適応は、主に態(ヴォイス)の文法範疇において起きたことと、音韻的要素の増加という珍しい現象がよく外適応伴うことを示した。ヴォイスという文法範疇における外適応は日本語に限られた現象ではなく、類似した現象がいくつかのほかの言語においてもみられ、ある程度の規則性があることを示した。日本語においてはヴォイス以外にもエヴィデンシャリティー形式「らしい」や接続助詞の「けれど」と「し」に確実に外適応を起き、ほかにも「つ…つ」や「たり」のように、そう解釈できる形式もあることを指摘した。なお、7月のシンポジウムでは日本語史において繰り返し行われてきた文法化現象について、今後の研究のためにリストを提示した。 なお、意味地図の自動構築の研究は、真田氏に多大な協力を得ながらも、最終的に有効な方法を示すことができなかった。
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