2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520455
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
前田 達朗 東京外国語大学, 国際日本研究センター, 准教授 (60590750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 朋子 東京外国語大学, 国際日本研究センター, 研究員 (60600442)
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Keywords | 方言矯正 / 教育政策 / 言語政策 / 軍政期 |
Research Abstract |
奄美大島北部・南部および阪神間を中心に、聞き取り調査を行っており、その一部は論文および口頭報告として成果を発表している。前田達朗は2013年6月、東京外国語大学国際日本研究センターにおいて「社会言語学のできること」と題して、また2013年12月には国際基督教大学平和研究所において「経験としての移民」の題で、本研究関連の講演を行った。特に方言矯正の歴史的過程についてはこれまで史的資料の裏付けが少なかっただけに、教育学や言語政策研究の分野からも協働のはたらきかけを受けている。今後の展開が拡がる可能性が出てきた。 また当初計画していた「経験者」の幅が、想定していたよりも年齢層がひろいことが現地調査から見えて来た。つまり方言矯正は戦中や戦後だけの事象ではなく、1970年代まで続いていたことがわかり、経験者は今の40代後半まで存在することがわかってきた。今後は年齢層の縦軸を長くとり、より若い世代へも対象をひろげていくことになる。 また奄美大島教育会館所蔵の大正期からの紙資料の整理と記録については、最初期から軍制期、復帰前後(1920頃~1955頃迄)の資料のデジタル化のための撮影が90%終了、目録のためのリスト作りもすすみ、デジタル・アーカイブ化することで、研究者だけでなく貴重な奄美の歴史資料の一部として活用してもらい、地域社会への貢献の一助になる可能性が、地元関係者との協議の中で見えて来た。さらに他研究機関などとの協力で資料の整理と保存への取り組みもすすみ、劣化を回避するための策もとることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
聞き取り現地調査は想定よりも若干の遅滞がある。事例数をさらに増やす必要があると思われる。資料調査はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果でも述べたが、想定していた年齢層よりもひろく調査対象を広げることを考えていきたい。すなわち50代40代で学校教育の中で方言矯正をうけた記憶がある事例を補完的なものに今回はなるが、集める方向で調査を進める。また資料調査については、整理と目録作成を完成したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初より三年目にも現地調査を計画していたため。 旅費および物品費として使用する
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Research Products
(2 results)