2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520456
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
吉枝 聡子 東京外国語大学, 総合国際学研究院, 准教授 (20313273)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 言語学 / イラン諸語 / パミール諸語 / ワヒー語 / 東イラン語 / 記述言語学 / ゴジャール / 少数言語 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,2014年8月~9月に,パキスタンにおいてゴジャール・ワヒー語に関する言語調査を行った。 当初は当該言語の分布域における現地調査を予定していたが,調査地自体の治安状況は良好であるものの,調査地への経由地(カラコルムハイウェイ・チラース周辺地域)の治安状況が確保できない点を考慮し,インフォーマントの協力を得て,首都イスラマーバードにおいて調査を実施することとした。具体的な作業内容は,前年度と概ね同様であるが,詳細は以下の通りである: 1.ゴジャール・ワヒー語主要村落のうち,グルミットおよびシスーニー村出身のインフォーマントの協力を得て,ゴジャール・ワヒー語辞書について収録済み語彙の逐語再チェックを,前年度時点の終了箇所より再開・継続した。併せて,重要な語彙について用例の確認,辞書に掲載予定の,現地特有語彙に関連する写真のチェックと対応語彙との照合作業,ならびに新語彙の収集作業を行った。文法分野では,今年度は特に,使役表現の使用現状と方向詞のメカニズムを解明するべく,文例を含む言語データを収集・分析作業を行った。 2.調査終了後,語彙・画像データ・言語テキストの整理およびとりまとめを行った。 3.これまでの調査で得られた成果から,当該言語の使役表現のメカニズムとその現状について,東京外国語大学論集(第88号)にて研究報告を行うなど,研究成果の公開につとめた(研究発表の項を参照)。
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