2012 Fiscal Year Research-status Report
自然談話データに基づくオハイアット・ヌートカ語の文法記述および辞書の作成
Project/Area Number |
24520458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
中山 久美子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (40401426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 俊秀 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70334448)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
オハイアット・ヌートカ語は、カナダのブリティッシュ・コロンビア州南西部バンクーバー島西岸地域で話されている少数言語で、話者数は数十人ほどの高齢者に限られる、典型的な「危機言語(消滅の危機に瀕した言語)」である。本研究では、オハイアット・ヌートカ語を使用しているコミュニティーにおける現地調査を軸として、研究代表者および研究分担者がすでに保有している既存の言語データベースをさらに拡充すると同時に、実際の言語使用場面の分析に基づく言語構造を記述し、さらに自然談話データから得られた用例を多く盛り込んだ辞書の編纂を進めることを目的とする。 研究初年度である今年度は、既存の言語データベースに新たなデータを加えることによってデータベースの拡充を図りつつ、データの分析および文法の記述を進行させた。同時に、辞書の編纂に使用するソフトウェアツールの選定を進め、エントリー項目、 構成などの仕様について、将来的な応用研究における汎用性や転用性をも考慮に入れつつ検討を行った。7月24日から8月27日の日程で、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州、ソルトレイク島、バンクーバー島ポートアルバーニ及びバンフィールドにて現地調査を行った。現地調査においては、語彙調査、テキストデータの収集・書き起こしに加え、現地コミュニティーおよびヌートカ語話者の協力のもと、言語データ分析結果の検証と補足情報の収集・記録を行った。また、オハイアット・ヌートカ語の再活性化活動の担当者との意見交換・協力体制の確認も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
将来的な汎用性と現地コミュニティーでの幅広い利用を考慮に入れつつ、辞書のエントリー項目、構成などの仕様策定を進めているが、既存のソフトウェアツールでの対応には限界があり、次年度引き続いてプロトタイプの作成を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
第2年度目以降は、初年度に引き続き、データベースの拡充、データの分析および記述を進めていく。夏期には現地調査を行い、語彙調査、テキストデータの収集・書き起こし、および言語データ分析の検証、文法的・文化的・社会的補足情報の記録を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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