2014 Fiscal Year Research-status Report
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24520471
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
秋谷 裕幸 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10263964)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中国語 / 方言 / 韓城方言 / 中原官話 / 汾河方言群 / 音韻史 / 国際研究者交流 / 再構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では二冊の著書、『韓城方言調査研究』と『中原官話汾河片音韻史研究』を研究成果として発表することを目標としている。 まず『韓城方言調査報告』について述べる。本書は陝西省韓城方言を詳細に記述することを目標としている。本書の推敲(主として方言データのチェック)が本年度の主たる研究内容であった。本書は、海外研究協力者、Xing向東陝西師範大学教授との共著である。本年度、12月19日から12月30日まで陝西師範大学においてXing教授とともに私が担当する音韻と語彙の部分については原稿を完全に完成させることができた。Xing教授が担当する文法関連部分も完成に近づいている。本書は中国の中華書局から「陝西方言重点調査研究」シリーズの一冊として出版する予定であるが、研究期間の2016年3月31日までに正式に出版したい。 次に『中原官話汾河片音韻史研究』について述べる。こちらは私の単著である。本書は韓城、合陽、霍州、臨汾、翼城、万栄、新絳、以上七地点の方言のデータから、汾河方言群祖語を再構し、この方言群の音韻史を跡づけることを目的としている。本書についても初稿はすでに完成済みである。ただし本年度は『韓城方言調査報告』に注力したため、本書についてはあまり執筆を進めることはできなかった。ただし方法論の部分に関しては、汪鋒北京大学准教授、William Baxterミシガン大学教授らと突っ込んだ議論を行った。その成果も反映させつつ、本書を完成させ本研究課題を締めくくるのが最終年度(平成27年度)の目標である。『韓城方言調査報告』と同様、「陝西方言重点調査研究」シリーズの一冊として中華書局から出版する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究成果として予定している二冊の著書のうち『韓城方言調査研究』は出版社に原稿を送付できる状態に限りなく近く、もう一冊の『中原官話汾河片音韻史研究』もすでに初稿は完成済みで、研究期間内に最終的に完成させることに大きな問題はない。そのため以上のように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本平成27年度は『中原官話汾河片音韻史研究』を完成させることが目標である。8月に集中的に執筆を行う。方法論を論ずる部分で必要となる安徽省桐城方言の調査を、可能であれば行いたい。
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Causes of Carryover |
本研究課題で予定していたフィールドワークは前年度までにおおむね完成させており、本年度は著書の執筆が主たる研究内容であった。そのため経費が当初の予想よりもかからなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度は研究成果とする著書二冊の執筆や出版のため中国出張が予定よりも多くなる可能性があると予想される。その旅費として使用する。
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Research Products
(1 results)