2013 Fiscal Year Research-status Report
消滅に瀕する満洲語の社会言語学的研究―ドルブットモンゴル族コミュニティ言語と比較
Project/Area Number |
24520474
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
包 聯群 大分大学, 経済学部, 准教授 (40455861)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風間 伸次郎 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50243374)
|
Keywords | 言語維持 / 言語継承 / 継承言語 / 言語政策 / 言語接触 / 満洲語 / 少数言語 / 学校教育 |
Research Abstract |
25年度において、研究成果を以下のようにまとめることできる。 ①2013年12月9日に東京にて、第三回目の日中国際ワークショップ「現代中国における言語政策と言語継承―少数言語について考える」を主催した。その際、満洲―ツングース系言語を中心に考え、シベ語、エヴェンキ語、満洲語に関する専門家も発表を行い、その他の専門家も加え、少数言語の維持や継承について意見交換を行うことができた。 ②三家子村を中心にした調査を行い、満洲人コミュニティにおいて、日常言語で使える教科書の作成準備調査を行った。今、教科書を作成している途中である。 ③三家子村の満洲族小学校において、引き続き授業参加をし、満洲語の習得状況の確認を行った。④チチハル市扎龍地区において、満洲族小学校の満洲語の授業に参加し、学校教育における満洲語の習得状況の確認を行った。 ⑤満洲語やその他の危機言語に関する資料収集を行うことができた。⑥データに関する分析などを行い、また2013年12月9日に行われた会議論文集の出版に向けてある程度までの準備をした。⑦専門家らを招聘し、国際学会の開催などによって研究成果を発信することができた。⑧分担者の風間教授は語彙及び文法などに関する調査を予定とおり行い、分析を行っているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は概ね研究計画とおり進んでいる。 ①三家子村を中心とする研究調査報告を国際ワークショップによって発信することができた。また、中国の少数言語に関する研究者らとの意見交換をすることができた。 ②語彙と文法、物語などに関する調査を実施することができた。 ③三家子村の満洲族小学校及びその他の満洲族小学校において、授業に参加することができ、満洲語の習得状況を確認することができた。 ④満洲語やその他の危機言語に関する資料をある程度まで収集することができた。 ⑤招聘や講義、会議などを通じて、危機言語である満洲語の大切さを発信することができた。⑥満洲人コミュニティにおいて、日常言語で使える教科書の作成準備がある程度まで達成している。
|
Strategy for Future Research Activity |
①満洲人コミュニティにおいて、日常言語で使える教科書の作成を完成させるよう努力する。 ②学校教育における言語継承の意識を強化させる活動をし、満洲語の継承につながるよう努力する。 ③その他の地域の満洲語の調査と言語継承活動を収集する。同時に学校教育に関する調査も行う。 ④今までの成果をまとめ、2013年12月9日に行われた会議論文集の出版に向けての準備をし、できるだけ今年度中に出版できる努力をする。 ⑤学習院と共同で開催される国際シンポジウム(9月13日)にて危機言語の満洲語に関する発表を行う予定である。。⑥三家子村、ウンドル村以外の地域における満洲語の調査を実施していないが、今年の夏に、満洲語を話せる地域は別にあるかどうか、その実態を調べ、あれば調査を行う予定である。
|