2014 Fiscal Year Annual Research Report
九州方言における条件表現の体系性に関する実証的研究
Project/Area Number |
24520482
|
Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
中田 節子(有田節子) 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (70263994)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 正 福岡大学, 人文学部, 教授 (20264707)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 条件文 / 九州方言 / 時制 / アスペクト / 準体形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目は方言固有の条件形式「ギー」を持つ佐賀方言と、隣接しながらギーを用いず専らナラ形式を用いる城島方言について、条件節述語の意味タイプ、主節のモダリティ、条件節と主節の時間関係を考慮した詳細な調査項目を作成した上で、調査を実施し、その結果を国内の研究会及び海外の学会で発表した。天草、熊本、甑島についても調査を開始した。 2年目は、前年度の後半に調査した天草、熊本、甑島の調査の結果を九州方言研究者が集まる研究会で発表し、意見交換をした。佐賀の追跡調査および佐賀以外でギーを使う地域として、前年度の天草、甑島に加え、出水市の調査を行った。ギーと一部共通する機能を持つと考えられるトシャガを多用する熊本市について調査を行った。 最終年度である本年度は、前年度研究会で発表した内容を論文にまとめ、佐賀、出水市、熊本市の追加調査を実施し、さらに、ギーを用いる佐賀以外の地域として、佐世保出身の話者の調査を行い、佐世保でもかなり広くギーが用いられることを確認した。 以上の調査結果を踏まえ、研究代表者は、成果の一部を2度にわたって発表し、研究者のみならず、一般の人々にも公開する形で行った。関連する論文を2編まとめた。 分担者江口は、福岡県福岡市方言における共通語のノダ文に該当する「ト文」の意味論・語用論的特徴を調査した。これは研究代表者の立てた「ノナラが認識的条件文専用形式になるのはノダ文の一部の用法と関係がある」という仮説に関係したものである。調査の結果、福岡市方言ではノダ文に対応するト文の用法が狭いことが明らかになったが、コピュラの有無とノダ文の用法に関連があることが示された。 さらに「分」による副詞節の用法に関して条件表現と理由表現の関係について記述的な研究を行い、条件の意味になる場合、理由の意味になる場合の条件を明らかにした。
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
[Presentation] 日本語条件表現の諸相2015
Author(s)
有田節子
Organizer
外国語と日本語との 対照言語学的研究
Place of Presentation
東京外国語大学 国際日本研究センター
Year and Date
2015-03-07 – 2015-03-07
Invited
-
-
-