2013 Fiscal Year Research-status Report
カイケ語の記述調査、及びチベット語との言語接触を中心とする歴史言語学的研究
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24520486
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Research Institution | Nagoya College |
Principal Investigator |
本田 伊早夫 名古屋短期大学, 英語コミュニケーション学科, 教授 (10269681)
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Keywords | 歴史言語学 / チベット=ビルマ諸語 / カイケ語 / チベット語 / 言語系統 / 言語接触 / タマン諸語 / ヒマラヤ諸語 |
Research Abstract |
25年度は、2013.7月-8月にかけての約2週間、2013.8月-9月にかけての約2週間、そして 2013.12-2014.1月にかけての約2週間の計3回、ネパールにおいてカイケ語およびチベット語テイチュロン方言の現地調査を実施し、得られたデータの分析を、現地滞在中及び帰国後に進めた。調査内容及びその成果は以下の通り。(1) カイケ語の音調について、これまで取得したデータの確認作業と複数の母語話者からのデータの拡充を進め、音調体系全体の記述に必要なデータ収集をほぼ完了することができた。(2) これまで収集したカイケ語のテキストや文例上の語彙の意味、文法等の確認作業を行い、言語の包括的記述・分析を更に進めた。(3) チベット語テイチュロン方言について、語彙と、動詞の活用における語形・接辞の形態及びその変化についてのデータ収集を進めると共に、音韻、音調に関するデータの収集・分析を進めた。現地調査から帰国後は;(1) 持ち帰った言語データの整理、分析に努め、カイケ語とチベット語テイチュロン方言の記述を進めた。(2) ネパール・ヒマラヤ地域における他の現代チベット語方言についての先行研究を学習すると共に、チベット・ビルマ語系非チベット語との間の言語接触の状況を調査した。 また、これまでに得たカイケ語とチベット語テイチュロン方言のデータを分析し、2013.9.06-9.08、オーストラリア・キャンベラのオーストラリア国立大学において開催された国際学会「第19回ヒマラヤ言語シンポジウム」に参加し、「Preliminary notes on the language of Kaike and its relation to other Himalayan languages」と題する研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた日数、時間、現地調査を実施することができ、カイケ語については、計画していた、あるいはそれ以上の分量・内容のデータ収集をすることができた。カイケ語については、音調以外の面(音韻、語彙、文法等)は計画以上に調査と分析が進んでおり順調である一方、音調に関しては、データ収集は予定通りだがその記述にあたり多少手間取っており、研究成果の発表とその準備に関しては必ずしも計画通りとはいっていない。それは、調査を進める中でカイケ語の音調体系が周辺言語の音調体系とは大きく異なり、かなり特異な性質を持っている為、記述する上での課題が未だ完全に克服されていない為である。しかし課題が明らかになったということは、研究調査が進んだことを意味しており、更に記述・分析を進める上で必要な前進であると前向きに受け止めている。 チベット語テイチュロン方言についてはデータ収集、その分析とも概ね計画通り順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
調査計画はおおむね順調に進行しており、研究計画に大きな変更はない。25年度と同様、26年度も母語話者の協力のもと、現地での研究調査を実施し、カイケ語、チベット語テイチュロン方言の言語データ収集、分析と記述を更に進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費精算にあたって、計画予定していた金額より少なく済んだ項目があった為 計画している出張旅費の一部として使用する計画である。
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