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2014 Fiscal Year Annual Research Report

日本手話の文法関係表示について

Research Project

Project/Area Number 24520487
Research InstitutionKobe City College of Technology

Principal Investigator

今里 典子  神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90259903)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords主語/目的語標示 / 日本手話(JSL) / 文法化 / 助動詞 / 動詞連続 / 類型論 / JSL西日本方言 / 認知言語学
Outline of Annual Research Achievements

手話言語において,いわゆる一致動詞は、手形を主語の名詞のある位置から目的語のある位置まで動かす事で,主語/目的語を区別することができる。一方このような手形の移動を含まない非一致動詞が述部である場合,主語/目的語標示を行う助動詞(AUX1やAUX2)が共起する場合がある。 Smith(1990)は,日本手話(JSL)と源を同じくする台湾手話(TSL)を観察分析する事によって、はじめてこのようなAUXの存在を指摘した。後にFischer(1996)が日本手話東日本方言(JSL-e)にもAUX1のみ存在する事を認めた。AUX2が動詞「見る」から派生した事は,2つの語の形状の類似性からSmithが示したが,どちらの研究者もAUX1の生成過程は明らかにしていなかった。Sapountzaki (2012)らは,AUX1が指差し手形の「代名詞の連続」から派生したと仮定するが,十分な証拠が示されなかった。
本論では,JSLの西日本方言(JSL-w)を新たに分析対象とし,JSL-wにはAUX1とAUX2の両方が存在することを明らかにした。その上でデータ分析の結果,JSL-wのAUX1は「「見る」→AUX2→AUX1の順に文法化により生成された」という仮説を提案した。
JSL-wでは動詞「見る」,AUX2,AUX1は,この順に,手形の形態の簡素化,及び手形の動きの小型化,非手指サインの脱落等のように,音韻・形態が簡素化し,同時に「見る」という意味が次第に漂白されている。一方でAUX1が共起する述部であっても,手形の移動のみ簡素化する前の動きに変えると,AUX1にはないはずの「見る」という意味が現れる特別用法がある事を指摘し,これらの証拠により仮説の妥当性を議論した。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results)

  • [Journal Article] 日本手話における主語/目的語標示の助動詞について2014

    • Author(s)
      今里典子
    • Journal Title

      言語研究

      Volume: 146 Pages: 31-50

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant

URL: 

Published: 2016-06-01  

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