2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520489
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
森 若葉 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 共同研究員 (80419457)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 楔形文字 / イラン / 粘土板 / 3Dモデル / エラム語 / シュメール語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はイランの未公刊楔形文字資料の公刊(写真・3Dモデル、翻字、翻訳、研究)を目的としている. 3年目にあたる2014年度はイランでの調査はおこなわず、1~2年目にイランの博物館で調査した資料をもとに、日本において研究をすすめ、その一部の発表をおこなった.とくに2014年度はイランの重要な古代遺跡であるマルヤン(古代名アンシャン)出土資料を中心に研究調査をすすめた. 研究協力者の渡邊俊祐氏(同志社大学大学院)に依頼し、研究対象資料の粘土板やブリック(シュメール語、エラム語、原エラム文字資料)の3Dモデルの作成をおこなった.また研究協力者の辻田明子氏(ライデン大学/京都大学大学院)と資料に関する文献調査をおこなってもらった.またそれにかんし、京都において研究打ち合わせを行った.前川和也氏(国士舘大学研究員/京都大学名誉教授)に助言をもとめ、未公刊資料の解読をすすめ、公刊準備をすすめている. 2014年12月6-7日に京都大学において行われた国際シンポジウムにおいて、イラン・マルヤン出土の未公刊粘土板資料について発表をおこなった.とくにシュメール語で記された貴重な資料である王碑文、行政経済文書粘土板について、イランや欧米の関係諸分野の研究者とともに意見交換を行った.その後も彼らとの協力体制のもと、公刊に向けて準備中である. 日本語で口頭発表をおこなったほか、関連する成果を書籍等で発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
イランの政権交代等の影響で、共同研究をおこなっているイランの博物館の研究体制が変わったため、研究の成果発表の手続が多少遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
イランの博物館スタッフや研究協力者である研究者たちと綿密に連絡をとり、成果発表にむけて日本において発表準備を進めている
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Causes of Carryover |
昨年に引き続き、現地で資料の確認作業をおこなう予定であったが、諸般の事情により、1年度先送りになった.また、共同研究者を招へいし、研究発表および打ち合わせする予定であったが、別予算での招へいが可能になり、本科研からの支出はなくなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在、成果発表についてイランの博物館とメールでやりとりを行っているが、実際に面談しての調整が必要なため、数日間の渡航が必要となる.また、最終的な資料の確認のため1,2週間程度の現地調査を計画している.
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