2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520506
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
木川 行央 神田外語大学, その他の研究科, 教授 (50327186)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 マリ子 國學院大學, 文学部, 教授 (90170018)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 首都圏方言 / 自然談話 / アクセント / 母音の無性化 / 東京語化 |
Research Abstract |
本研究は首都圏方言の基層の探求を目的とする。平成24年度は、まず東京の高年層の言語の実態をみるため、東京下町出身者の自然談話を録音し、その文字化を行った。その上で、各発話におけるアクセントのほか、母音の無声化やラ行音の撥音化、ヒとシの交代や、拗音の直音化などの音声事象を中心に分析をすすめた。このような自然談話の録音は、高年層の言語実態を見る手段としては、質問法による調査よりも有効であるといえる。理由としては、協力者の精神的な負担が少ないこと、質問法調査のように意識を聞くものではなく自然な状態で意識することなく発せられた音声が得られること、調査者が準備し得ないような語形や用法を得ることができるなどがあげられる。今回の調査においても、このような特色を生かした結果が得られている。東京語の談話資料は、多くあるように思われているが、実際の音声とその文字化、さらにその談話の注釈をつけたような、言語研究のデータとして利用できるようなものはさほど多くない。東京語の生の姿、それも急速に変化しつつある東京語の姿を記録しておくのは、今後の研究のためにも重要であると考える。 また、今後調査によって得られた資料を分析する際の基準、質問法による調査で行うべき項目などの検討を行った。調査対象とすべき項目は、上記にも示した音声現象やアクセントなどである。 平成24年度はそのほかに、首都圏の大学に通う大学生に対する言語実態をアンケートによって調査した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度は東京語の調査を中心としたため、調査予定であった千葉県や栃木県の調査が実施できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、千葉県や栃木県において自然談話を採録を行い、また、質問法による調査も実施する予定である。質問法による調査は、音声事象、アクセント、文法事項が中心となる。東京語の調査についても継続して行う。そして、これらの資料をもとに分析を進めていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査にかかる交通費等、さらに録音資料の文字化作業、資料の整理などにかかる謝金等に使用する予定である。
|