2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24520527
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
富澤 直人 山形大学, 人文学部, 教授 (40227616)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 素性継承 / パラレルプロービング / フェーズ / 派生名詞 / 名詞化構文 / 文主語 / 受動化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、フェーズ主要部からの素性継承とパラレルプロービングの仕組みを名詞領域に応用して、動詞由来の派生名詞(deverbal nouns)を中心とする名詞化構文の統語特性(様態副詞が生起可能である事実)の説明を行った。これは、名詞句内でもC/Tやv/V領域と同様の素性継承とパラレルプロービングがあることを示した点に意義がある。 また、文主語の分布とtough構文に代表される空演算子構文の派生特性をC/T領域での素性継承とパラレルプロービングの観点から分析した。文主語の場合、派生の初期段階で、虚辞itに相当するproがCPと統語対を形成(proとCPから成るCP、あるいはproとCPから成るDP)し、その後の派生においてパラレルプロービングを受け、proはTによって主語位置へ、CPはCによってその指定辞位置へ、それぞれ移動する。この派生では、例えば、CP is hoped *(for).などの事例について、Chomsky (2008)がパラレルプロービングを動機付けた主語条件にまつわる統語現象の説明と同じ説明ができることを示した。(ただし、受動化に関わる補助仮設が必要。) 空演算子構文については、Hicks (2009 LI)が提案した基底対に基づく分析の不備を整理し終え、その代案として、パラレル構造に基づく、C/Tによるパラレルプロービングの是非を検証している途中である。 研究期間全体を通じて、フェーズ主要部からの素性継承によるパラレルプロービングの妥当性を研究し、第1にallege/assure型動詞を見てvフェーズからVへの素性継承があることを示し、第2に動詞由来名詞構文を見てDフェーズからn、そしてNへの素性継承があることを示し、第3に文主語構文を見てCからTへの素性継承があることを示し、素性継承とパラレルプロービングがフェーズ主要部の特性であることを示した。
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Research Products
(1 results)